受動喫煙の数値目標なし 政府のがん対策計画

参考:2018年3月9日(金)配信 共同通信社
2018年3月9日(金)配信 共同通信社
2018年3月9日(金)配信 朝日新聞

 政府は9日、がん対策の方向性を定めた第3期がん対策推進基本計画に「東京五輪・パラリンピックに向けて対策を徹底し、望まない受動喫煙のない社会を、できるだけ早期に実現する」とするとした受動喫煙に関する目標を追加することを閣議決定しました。

 当初は「受動喫煙にさらされる人の割合をゼロにする」との数値目標を検討していましたが、健康増進法改正案との整合性が取れないため、見送りました。計画は昨年10月に閣議決定されました。自民党と厚労省の対立で受動喫煙の目標だけが定まらず、先送りになっていました。

 受動喫煙の目標を巡っては、第2期計画で「2022年度までに行政機関と医療機関は0%、家庭は3%、飲食店は15%」と記載。第3期計画を議論した昨年の協議会では委員全員が、東京五輪の20年までに「受動喫煙ゼロ」を明記するよう求めていました。

 

受動喫煙対策を閣議決定 多人数利用の建物禁煙に 国会で激しい議論も

 政府は9日、多数の人が利用する建物内を禁煙とするなど、受動喫煙対策強化のための健康増進法改正案を閣議決定しました。違反した喫煙者には過料を科すなど、初の罰則付きの対策となります。2020年東京五輪・パラリンピックまでに全面施行できるよう、今国会での成立を目指します。

 焦点となった飲食店の規制について、客席面積が100平方メートル以下の既存店では例外として喫煙を認めるとしましたが、反発もあり、国会での激しい議論が予想されます。

 第3期がん対策推進基本計画に「望まない受動喫煙のない社会を、できるだけ早期に実現する」との目標を追加することも決定しました。当初は「受動喫煙にさらされる人の割合をゼロにする」との数値目標を検討していましたが、法案との整合性が取れないため見送りました。

 法案は、学校や病院、行政機関の屋内を完全禁煙としました。屋外に喫煙場所を設置することは認めます。職場となる事務所や飲食店、ホテルは原則屋内禁煙とし、飲食不可の喫煙専用室の設置は認めます。ただし、ホテルの客室内は私的空間とみなし規制対象外。

 飲食店の例外として、資本金が5千万円以下で客席面積が100平方メートル以下の既存店は「喫煙可」などと店頭に表示すれば専用室がなくても喫煙を認めます。その場合、20歳未満の客や従業員を喫煙スペースへ立ち入らせないように義務付けます。

 吸う人が増えている加熱式たばこも規制対象としました。法に違反した悪質な喫煙者には最大30万円、施設管理者には最大50万円の過料を科します。

 政府は当初、昨年の通常国会での法改正を目指していましたが、例外として喫煙を認める飲食店を巡り、店舗面積30平方メートル以下のバー、スナックに限定するとした厚生労働省と、例外拡大を求める自民党が対立し、法案提出が見送られた経緯があります。今回、面積を拡大したことで自民党からの了承が得られましたが、たばこが吸える飲食店が55%に達するとの試算もあり、禁煙推進派から批判が出ています。

 ※受動喫煙の健康影響

 たばこの煙には多くの有害物質が含まれ、非喫煙者が自分の意志とは関係なく他人の煙を吸わされる受動喫煙にも病気のリスクがあります。成人では脳卒中や肺がん、子どもは呼吸器の病気、突然死の原因にもなります。国内では推計で年1万5千人が死亡していますが、2016年の国民健康・栄養調査では非喫煙者の4割が飲食店で受動喫煙したと答えるなど対策は十分にできていません。

 

受動喫煙対策法案を閣議決定 飲食店は原則屋内禁煙

 政府は9日、受動喫煙対策を強化する健康増進法改正案を閣議決定しました。

 飲食店は原則屋内禁煙(喫煙専用室は設置可)としますが、客席100平方メートル以下で、個人経営か資本金5千万円以下の中小企業が経営する既存店では「喫煙」などと表示すれば、喫煙を認めます。今国会に提出し、2020年の東京五輪・パラリンピックまでの施行を目指します。