あさイチ 受動喫煙~知られざるリスクと予防法

参考:2018年3月19日(月)8時15分~8時55分/1ch NHK総合

受動喫煙 知られざる影響

 テーマは「受動喫煙」。2年前、厚生労働省が発表したタバコに関する「喫煙の健康影響に関する検討会報告書」によると、肺がん・虚血性心疾患・脳卒中などで亡くなる人のうち、受動喫煙が原因とみられるケースは推定年間15,000人にも及ぶといいます。タバコの煙には7000種以上の化学物質が含まれており、屋外では最大25m飛散するとことが分かっています。受動喫煙は煙がなくても起きる場合があります。直前までタバコを吸っていた人の息を調べるとアセトアルデヒドが4分間、一酸化炭素は30分間検出されました。健康被害は多岐にわたり、隣人の煙でアトピーを発症した人もいます。政府は受動喫煙を強化する法案を審議しています。

 渡辺えりさんもかつてチェーンスモーカーでしたが医師から「人の命をなくすことに協力している」と言われ、禁煙外来に通院して禁煙に成功しました。ほぼ確実とされるのは、乳がん、鼻腔がんなどがあります。産業医科大学 大和教授によると、加熱式たばこはたばこの葉っぱから発生する有害物質はほぼ出ている。有害性はたばこより少ないが、健康障害が減ったことにはつながらないと話しました。

受動喫煙 突然アレルギーに

 化学物質過敏症の治療を受けている女性。外から持ち込まれる化学物質によって全身の痛みなどのアレルギー症状が起こすことがあるため、帰宅・家に人を招いた際には靴下を履き替えてもらいコート類・バッグは玄関に置いています。職場での受動喫煙がきっかけで化学物質過敏症を発症。上司に訴えると喫煙スペースを設けたり、空気清浄機の導入をしてくれましたが症状は改善せず女性は退職しました。病院で告げられた診断名は、たばこの煙によって化学物質過敏症などが引き起こされる受動喫煙症という疾患。稲本望医師は「たばこの煙は7000種類の化学物質が含まれていると言われ、どの化学物質に反応するか分からない。煙を浴び続けると起きる可能性が高い」などと話します。女性はたばこだけでなく化粧品や洗剤のにおいでも頭痛を起こすことがあるため、月に一度専門医の治療を受け、薬を処方されていますが、根本的な治療は難しいです。

 安田美沙子さんは「妊娠中に敏感になって、それが今でも続いていて何かきっかけがあって過敏になっているのがすごい分かります」と話しました。

 視聴者から「主人がたばこじゃないから受動喫煙にならないと子どもの前で葉巻を吸っているが大丈夫か」という質問に大和浩教授は「葉巻を吸っている人口が少ないので葉巻だけを取り出して調査した結果はこれまでなかったが、先日たばこ同様の有害性があることが報告されている」と話しました。受動喫煙症の診断ができる医者については日本禁煙学会のホームページに記載されています。

煙がなくても 受動喫煙

 受動喫煙は煙がなくても症状が起こる三次喫煙というものがあります。たばこの煙を浴びた人が服にニオイが付いたまま別の場所へ行き、そのニオイを第三者が吸って化学物質を吸い込むことを指します。大和教授は「たばこの煙は葉っぱや巻紙が一旦気体になって空気で冷やされタールの粒になったもので、それが服の繊維に入り込むとガス状の有害物質が発生し続ける。消臭スプレーはニオイが軽くなる成分を含むものもあるが、消臭スプレーのニオイがマスキング・目立たなくさせているだけ。実験では一本吸って息のニオイ・化学物質の分量が元に戻るのに45分かかったので、外で吸ってすぐ子どもを抱っこすると、有害物質を吹きかけることになる」と話しました。

受動喫煙 子どもへの影響

 埼玉県熊谷市では10年前から小学生を対象に受動喫煙の影響を調査してきました。井埜医師は多くの子どもを診察する中で、受動喫煙が子どもに与える影響を見過ごせないと感じ、市の教育委員会と共に市内の小学4年生約1,500人に尿検査を行っています。受動喫煙によって子どもの肺に入ったニコチンは肝臓でコチニンに変わり、尿に排出されるとのこと。今年度の検査では2割近い子どもからコチニンが検出され、そのうち、精密検査が必要だったのは16人いました。中でも数値が高い子どもに対しては教育委員会が保護者に送る文書を送り喫煙を見直すよう促しています。この取り組みを始めてから小学生の親の喫煙率は少しずつ低下しています。時田さんは8年前、長女の検査結果で基準結果が大幅超えたことを機に禁煙外来を受診、1年後禁煙を達成しました。

 医学博士 井埜さんは検査して数値が上がったケースで健康被害に結びついているケースもあると話し、一番多いのは喘息などの肺の問題、中耳炎や虫歯も影響していると言います。子どもが胎内にいる時に長年吸っていると胎児に影響も。熊谷市の取り組みを全国で行うべきだとしています。

受動喫煙 国の対策は?

 国も受動喫煙対策を強化する取り組みをしており、学校や病院などでは敷地内を禁煙に、飲食店は原則禁煙とし、ただし既存の客席100平米以下の店は喫煙を許可しており、全体の55%と言われています。国会議員の中にたばこ議員連盟というものがあり、たばこの販売を促進して過度な禁煙対策をやめさせると考える人もいます。店を禁煙にすることで客が減ることはないと論文で発表されています。

隣人のタバコで受動喫煙

 25年前に購入したマンションで両親と暮らしてきた女性。5年前からたばこのニオイが気になりだし、その原因は階下のベランダで喫煙する住人。在宅で仕事をする女性、1年経過すると顔にアトピーを発症。アレルギー科を受診し受動喫煙症と診断されました。女性はマンションの管理組合に相談しましたが「ベランダでの喫煙を禁止する規約がないので難しい」と言われ、管理組合は掲示板などでベランダでの喫煙を控えるよう呼びかけましたが効果はありませんでした。女性は次に役所に相談しましたが対応してもらえず、近くの警察署に相談すると警察官が階下の住人に伝えてくれました。その後ベランダでの喫煙が止まり症状も落ち着いてきました。

 全国のベランダ喫煙に困っている人によって作られた近隣住宅受動喫煙被害者の会によると警察署が対応してくれるかは症状の程度など状況によって変わりますが警察にもたばこをやめる強制力はありません。トラブルなくたばこを控えてもらうには。マンションの場合は管理規約を確認、直接伝えるなら手紙で伝えるのがよく、文面を丁寧に症状など具体的にして、宛名を個人名でなく「喫煙者の方へ」とするのがポイントです。