AMR(Antimicrobial Resistance)という「薬剤耐性」なる重さ

参考:日本歯科医師会副会長 牧野利彦

 2月26日付の本メールマガジンで既報の通りですが、AMR対策歯科臨床セミナーが2月4日、国立国際医療研究センター病院・AMR臨床リファレンスセンターと日歯の共催により歯科医師会館で開催されました。

 AMR(Antimicrobial Resistance)という言葉は耳慣れない方も多いだろうが、「薬剤耐性」なる言葉は小生が学生であった昭和50年代からありました。漫然とした薬の投与は耐性菌をつくるから控えるべきと教わりましたが、我々歯科で抗菌剤を長期に処方し続けることなどはあまりなく、AMRとは縁遠いものと考えていました。

 しかし、世界中でAMRに起因する年間の死亡者数が100万人に近づき、このまま放置すれば2050年には1000万人にも及ぶとなれば、我々歯科界も見過ごす訳にはいきません。WHOでも2015年の総会においてアクションプランを採択し、加盟国にナショナルアクションプランを策定するように要請しています。

 風邪やインフルエンザに抗菌薬は効果がないことは我々であれば知っています。また、漫然と歯周ポケットに抗菌剤を長期にわたり注入してないでしょうか。調査によれば一般国民も約半数がそのことを知っているらしいですが、薬好きの日本人は薬の投与を希望します。

 抗菌剤が今後も貴重な薬として存在するように、エビデンスに基づいた薬の投与を学び、国民への啓発も重要になってくると思われます。