ビタミンD濃度とがん生存率

参考:2019年2月28日 吉冨信長さんのFacebookより

 つい先日(2019/2/25)ですが、ビタミンDとがん生存率における比較的信用性の高い研究が発表されました。

 アイスランドの建久ですが、がんと診断される前に測定した血清25ヒドロキシビタミンD濃度が、がんと診断された後の生存率をどのように影響するかを調査したものです(Cancer Causes Control. 2019 Feb 25. doi: 10.1007/s10552-019-01143-9)。

 研究参加時にはまだ「がん」と診断されていない4,619人の高齢者を対象に平均8.3年追跡したもので、その後がんと診断された人のうち、血中ビタミンD濃度が低い場合(<30nmol/ℓ)、死亡率の増加と有意に関連していたことが分かっています。

※30nmol/ℓ≒12ng/dlです。単位に注意してください。

 ちなみに、がんと診断された後2年以上生存している患者らは、血中ビタミンD濃度≧70nmol/ℓを維持している人が多く、この濃度の場合、総死亡率を30%下げ、またがんによる死亡率を53%も下げていたことが報告されています。これはすごい発表だと思いませんか?ビタミンD濃度のみを正常に維持すればこれだけの生存率が高まるということです。

 活性型ビタミンD(1,25 D 3)は、腫瘍細胞のアポトーシス(自殺死)の誘導、血管新生の抑制、がん細胞の浸潤を阻害する作用があり、このような働きによって抗腫瘍や抗がん作用を発揮しています。今のところ最もはっきりしているのは、特に「大腸がん」と「乳がん」です。

 ビタミンD研究の第一人者であるカリフォルニア大学ガーランド博士の研究によると、血中25D濃度が42ng/ml超の人は乳がんの発症率が11ng/ml以下の人の約半分であり、血中25D濃度が高い人ほど乳がんになりにくいと報告しています。血清ビタミンD値を40~60ng/ml(100~150nmol/ℓ)にすることによって、乳がんの一次予防を促します。

 ガーランド博士はさらに、血清25D濃度が52ng/mlまで到達することが無理であっても35ng/ml辺りまで高めておけば乳がんリスクをおよそ35%減らせると言っています。

 マサチューセッツ大学公衆衛生局による大規模調査では、43歳から69歳までの女性32,826人を7年間調査し、血清25D濃度と乳がんの関係を調べたところ、25D濃度が高い群は低い群に比べ、乳がんのリスクが有意に低下していたことがわかっています(Cancer Epidemiol Biomarkers Prev. 2005 Aug;14(8):1991-7)。

 ハーバード大学医学部のコホート研究では、45歳以上の閉経前の女性10,578人において、乳がん発症率とVD摂取量の関係を10年間追跡調査で調べたところ、摂取量が548IU以上の群は、162IU未満の群に比べて乳がんリスクが35%低いことが報告されています(Arch Intern Med. 2007 May 28;167(10):1050-9)。

 紫外線の少ないこの時期だからこそ、再度ビタミンDの重要性を見直してみましょう。ビタミンDは慢性疾患に対抗する奇跡のホルモンです。

 

コメント
 昨日、乳がんからの癌の肺転移、肝転移で、患者さんが亡くなりました。乳がん初発からたった3年です。
 要因はビタミンDだけとか、そんな単純なことでないことはわかっていても、一つの情報として、感謝いたします。ありがとうございます😊