禁煙は「すぐに止める」!「徐々に止める」では やめられない?

参考:「Annals of Internal Medicine」オンライン版3月14日

今回の研究は、イングランドの成人喫煙者700人弱を対象としたものです。被験者の平均喫煙数は1日20本で、9割以上が白人であり、平均年齢49歳、半数が女性でした。被験者を、一度に禁煙する群(断煙群)と、2週間かけて75%減らす群(減煙群)に無作為に割り付けました。  禁煙前に、減煙群はニコチンパッチのほか、短時間で作用するニコチンガムやトローチを使用し、断煙群はニコチンパッチのみを使用しました。看護師によるカウンセリングを全被験者に対して実施し、禁煙開始日以降は短時間作用型のニコチン置換薬を提供しました。  開始から4週間後と6カ月後に追跡調査を実施し、本当にタバコを止めているかどうかを血液検査により確認しました。4週間後、減煙群の39%がタバコを止めていたのに対し、断煙群では49%でした。6カ月後も禁煙を継続していたのは、減煙群では16%、断煙群では22%でした。  米国政府の禁煙ガイドライン策定に関与している米ウィスコンシン大学マディソン校教授のMichael Fiore氏は、この禁煙成功率はカウンセリングや薬剤によるサポートがない場合に比べれば高いほうだといいます。一度に止めるほうが優れた結果が得られた理由として、Fiore氏は、徐々にタバコを減らす人は困難に屈しやすいことを挙げています。「喫煙者はまずはきっぱり止めることを試みるべきだが、難しいと感じることも多いだろう。医師はまず患者の好きな方法を試させて、失敗すれば別の方法を勧めるのがよい」と同氏は助言しています。
Dr.堤より 禁煙したければ、タバコを徐々に減らすよりも、きっぱり止めるほうがよいことが新たな研究で判明した。「ほとんどの人は徐々に減らすほうが自分に合っていると考えていた。しかし本人の考えにかかわらず、一度に止める方法のほうが優れていることが明らかにされた」と、筆頭著者である英オックスフォード大学博士研究員のNicola Lindson-Hawley氏は述べている。  米国疾病管理予防センター(CDC)によると、米国では喫煙が原因で年間40万人が死亡しており、さらに死亡者1人に対して、喫煙関連疾患の患者が30人存在するという。タバコを止めれば疾患リスクを大幅に低減することができるが、ニコチンの依存性はヘロインやコカインと同等ともいわれ、禁煙は容易なことではない。しかし、ニコチン置換療法やカウンセリングなどの有効な手段もあり、何度か挑戦した末に禁煙に成功する人も多い。