病院代の自己負担払えぬ人急増 年延べ700万人が減免

参考:朝日新聞 2014年11月23日(日) 配信

病気になっても治療代が払えず、病院窓口で払う自己負担分の治療代を安くしたり無料にする、通常の診療とは異なる「無料低額診療」という仕組みを利用する人が増えています。 患者数は年間で延べ700万人と、ここ数年で述べ100万人近く増えており、高齢になって病気になったり、失業で収入が途絶えるなどで、医療を受けにくくなった人たちが増えている現状があります。 中には、糖尿病をかかえながらも、収入の減少によって自己負担での月約3万円が重荷になり、治療のためのインスリン注射を減らし、糖尿病が更に悪化し倒れるなど、その現状は深刻です。 大阪市にある西淀病院 人事・総務部長の山本さんは、「高齢化や非正規労働者の増加で格差が広がり、普通に生活していても大病で医療費が払えなくなる人が増えている。」と話します。 日本では、公的医療保険から治療代の多くが出る「国民皆保険」の仕組みがあるため、窓口で払う自己負担は比較的安く済みます。 しかしながら、自己負担分の治療代が払えずその恩恵が受けられない人が増えているのです。 「無料低額診療」は、本来は生活が改善するまで利用する診療の仕組みですが、そのまま生活が改善せず生活保護受給にシフトする人も少なくありません。 厚生労働省が11年9月に生活保護を受け始めた人の原因を分析したところ、病気やけがを原因とする人が33%と最も多く、病気による収入の減少が、結局は生活保護に繋がってしまうパターンが後を絶ちません。 医療現場では病気になった後の不安が広がる中、収入が減っても治療を受けられるよう、病院、住民、自治体が協力する取組みも始まっています。 旭川市にある一条通病院では、普通の診療を利用する3万5千人でつくる「友の会」が、09年から「たすけあい募金」を開始、無料低額診療を受けた患者の薬代を支援しています。 高知市や青森市などでは、市が無料低額診療の薬代の一部を補助する動きもあります。 70歳未満の医療費の3割負担は、所得の低い人にとっては重く、非正規労働者と高齢者の増加で格差が広がる中、「国民皆保険」を気軽に使える人とそうでない人の差が出てきています。 所得に応じて自己負担割合を変えるなどの検討が必要と、日本総研 西沢上席主任研究院は話します。
〈無料低額診療〉 公的医療保険は原則として保険から治療代の7~9割が払われ、患者の自己負担が1~3割になる。自己負担分を無料にしたり安くしたりするのが無料低額診療で、病院などの医療機関が自治体に届け出て運営する。 財源は医療機関が負担する。一部の医療機関は税金の軽減が適用されるため、その分を回すほか、住民からの出資金や寄付を募ってまかなう医療機関が多い。受診希望者には、医療機関が設けた基準に沿って収入などの審査がある。収入は生活保護を一定程度上回る基準が多い。 無料低額診療は戦後、貧しい人のための社会福祉の一環として始まった。1960年代から国民皆保険制度が始まり、厚生労働省は2001年に新規の無料低額診療を抑制する通知を出した。ただ、非正規労働や失業が増えて医療を受けにくい人がいるという指摘などから08年に撤回した。
Dr.堤より 歯科にも、多くの企業からの献金でこういう制度が出来てほしい。