保団連マスコミ懇談会:治療中断 医科34.9%に比して歯科は51.7%と高水準

参考:Dentwave.com 歯科医療従事者のための総合情報サイト

3月31日、保団連マスコミ懇談会が同会議室で行われました。今回の主要なテーマは、経済的困窮などによって受診中断・抑制がより明確に出てきていることについて、臨床現場へのアンケート調査の結果などから報告・説明をしました。2015年11月1日から2016年1月にかけて、全国会員を対象に受診実態調査を前回(2010年)に続き2回目の調査。約1万件の回答(全会員の10%)を得たものです。5年前から今日までには、「70~74歳窓口負担2割化」「消費税増税」など患者の窓口負担増実施などからして、医療現場での経済的理由による受診抑制が進み今後が懸念される事態になっているとしています。結果からのポイントを以下のようにしています。
  • “小児科の治療中断”“検査治療投薬拒否”“あった”の割合が他科と比較し低かったが、医療費助成制度の拡充の成果と考えられる。
  • 診療科別では、内科=高血圧、糖尿病、歯科=歯冠修復・欠損補綴。
  • 約50%以上の医療機関で未収金が発生しており、反対に全額回収できたというのは約30%にすぎない。
  • 約70%の医師・歯科医師が75歳以上の高齢者の窓口負担2割化は受診抑制につながると回答。
治療中断は、医科34.9%ですが、歯科は51.7%と医科より17%も高く、受診行動に敏感に反応しているのが著しいです。その具体的病名では、上記の通り内科=高血圧、糖尿病、歯科=歯冠修復・欠損補綴であるが、歯科についての理由について、宇佐美宏・保団連副会長(千葉県・歯科医師)は「歯科の場合、歯冠修復・欠損補綴は窓口負担が大きい方で、経済的要素を理由が証明されたともいえる。また、特徴の一つである痛みが解消されると来院しなくなること、最終セットの前に仮・暫定セットすると、それで十分として来院しないこともある」と説明しました。また、患者から断られた内容(歯科)は、レントゲン・パノラマ・パントモ、歯周院検査・治療、スケーリングがありますが、レントゲン・パノラマ・パントモは、「放射能とイメージが重なり拒否する人がいるのではないか」と推測しました。 続いてこの半年間での起きた出来事として、医科は、「薬が切れているのに、受診に来ない」「薬代の負担を減らしてほしい」「受診回数を減らしてほしい」、歯科は「痛みがとれたら来ない」「保険の効く範囲で治療してほしい」が多い回答でした。 マスコミ側からは、「治療中断の実情は理解できたが、その後、中断した患者の経緯はどうなったのか。これがさらに重要だと思うが」との質問には、「確かに、そこがポイントかもしれないが、その患者を追跡調査ができないので残念。わかりません」と難しいことがだが貴重な指摘がされました。また「若者の患者が中断しているのが注目される、としているが、その理由はなにか」と問われると、「若者は非正規雇用であり、保険証を有してないことがその理由。現在の社会事情が反映しているのではないか」と説明しました。続いて、「治療中断の理由を経済的理由を持って説明しているが、他の理由もあるのでは」との質問には、「高齢になれば、今までと同様に通院できない身体的事情もあるのは事実。病院の長期投薬として一ヵ月に一度、病院に来させ処方箋を出すこともあるが、それに辟易して来院しないケースもあるのも否定しない」と複雑な問題もある認識を示唆することもありました。 宇佐美・保団連副会長は「経済状況に最も左右されるもので、基本的には5年前と大きな変化なく同様であると思うが、この状況がいいのかどうか。経済状況で本来受診し治療を受けるべき患者が受けない。結果として症状悪化を招いてしまう傾向は問題である」と改めて強調しました。
Dr.堤より もっと口腔ケア、口腔衛生のことを認知してもらうための方策を行わなければ、国の医療費抑制策の影響は大きい