タバコ今昔=細田庸夫さん

参考:2016年4月13日 (水)配信毎日新聞社  ◇野島病院(倉吉市)細田庸夫さん

 昔々は、お客さんが来ると、タバコ盆を出すのが礼儀でした。当時は刻みタバコを煙管(キセル)で吸うのが普通でした。火の付いた刻みタバコをいったん手のひらに乗せ、新しいタバコを煙管の先に詰め、その上に火の付いた方を乗せて、再び煙管で吸い始めます。子供の頃はそんな姿が、かっこよいと思いながら眺めていました。  段々と刻みタバコが紙巻タバコになり、タバコ盆は灰皿になりました。今では、タバコ盆は博物館で見ることができます。  出雲地方の方言での、「たばこしょか」は、「休憩しようか」を意味しています。休憩は喫煙タイムを意味していると考えます。  陛下から頂いた「恩賜のタバコ」を知る人が少なくなっています。戦前は戦場でも配られました。恐らく「回し吸い」もあったと考えます。戦後も続き、皇居の奉仕活動に参加した方へのお礼でした。これはタバコの害が指摘されるようになり、廃止されました。  以前にある病院の投書と、それに対する院長からの返事が、その病院の広報紙に載っていました。当時の喫煙室はいまだに屋内でした。「喫煙室に冷房も暖房も無いとは何事か」という不満の投書に、「冷房も暖房もするつもりはありません。それより禁煙をお勧めします」と、たしなめる回答が載っていました。  今では喫煙場所は屋外か敷地外となっています。私は以前から、「職員の喫煙場所は、その施設最高の場所近くに置くべきだ」と思っています。県庁なら知事室前です。職員の喫煙行動に、どのような変化が起こるか検証したら、「社会実験」となります。路上喫煙もだんだんとし難くなっています。大都会では罰金も明示してあります。  最近、星野リゾートグループのホームページで、「喫煙者は採用面接をしない」とあるのを見つけました。「喫煙者は愛煙家ではなく、ニコチン依存症と考える」から始まり、「門前払い」の理由が、実に理路整然と列挙してありました。この差別は法的に問題があるのではと考えましたが、弁護士によれば「何の問題もない」のだそうです。  いよいよ2020年には東京五輪が開かれます。その前に、喫煙制限が更に厳しくなると予想しています。そうなってから駆け込み的に禁煙をするより、今からじっくり、ゆっくりと、余裕を持って禁煙に挑んでください。