血液がん発症の仕組み解明、遺伝子変異が起きる 


滋賀県立成人病センター(同県守山市)のチームが血液のがん「骨髄増殖性腫瘍」が起こるメカニズムの一つを解明したと20日発表した。18日付の米科学誌プロスワン電子版に掲載された。

 センターによると、外部からの信号を細胞内に伝達するJAK2という遺伝子に変異が起きると、PU・1というタンパク質が増えることが分かった。

 PU・1の増量が血液がんの原因となることは分かっていたが、センターは「なぜ増えるのかが明らかになったのは初めて。診断や治療にも応用できる」としている。

 センターで受診した20人以上の血液を調べる中でJAK2の変異とPU・1の増量に因果関係があるとみて、細胞を使って研究を続けてきた。

 センターによると、骨髄増殖性腫瘍は高齢者に比較的多く、欧米では人口1万人につき年間1人程度の割合で起きる。日本の割合は欧米より少し低い。

 

2011年7月21日   提供:共同通信社