子供を持って父親になると、主要な男性ホルモンである「テストステロン」が少なくなるとの研究結果を、米国とフィリピンの研究チームが12日、米科学アカデミー紀要(電子版)に発表した。子育てに関わる父親"イクメン"ほど、テストステロンが少ないことも判明。チームは「パートナーを得るまでは男性ホルモンが多いが、父親や子育てといった役割では分泌が抑制されるようだ」としている。
チームは、フィリピンに住む約620人の20代男性を5年近く追跡、唾液に含まれるテストステロンの量を調べた。その結果、調査開始時にテストステロンが多かった独身男性ほど、後に父親になっている傾向がみられた。ところが、父親になると、独身だったときと比べテストステロンが30%前後減少。独身のままの男性は約10%の減少にとどまった。
また、子育てに毎日1時間以上関わる男性のテストステロンは、全く子育てに関わらない男性よりも20%ほど少なかった。