悪玉コレステロールを増やし心臓疾患のリスクを高めるとされるトランス脂肪酸について、内閣府の食品安全委員会の専門調査会は22日までに、「通常の食生活では健康への影響は小さい」とする評価書をまとめた。
国内での規制は必要ないとする一方、「事業者は食品中のトランス脂肪酸含有量の低減に努める必要がある」と提言している。食品安全委で正式決定した後、厚生労働省などに通知する。
トランス脂肪酸の摂取量について、世界保健機関(WHO)は、食事から摂取するエネルギー量の1%未満を目標基準としている。日本でも食生活の欧米化で摂取量が増えている恐れがあったことなどから、食品安全委が調査した結果、日本人の大多数は1%未満だった。
ただ、評価書は「脂質に偏った食事をしている人は注意が必要」と指摘した。