長時間のパソコン作業のネックトラブル
 

 3.健康と医療「ストレートネック」
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 長い間、イスに座ってパソコンに向かう現代人の間で増えているのがストレートネックと呼ばれる症状で、文字の通り、首の骨が真っ直ぐになっている状態を指します。正常な人の頸椎は緩やかなカーブを描いて重い頭をバランス良く支えていますが、ストレートネックの人は湾曲がほとんどなく、真っ直ぐになってカーブが崩れているため頭が頸椎より前にきて、重い頭を首や背中の筋肉で支えなければならなくなり、慢性的な頭痛や首の痛み、肩こりといった症状が出てきます。

 毎日5時間以上のパソコン使用や脚を組んでのノートパソコン使用頻度が多く、キーボードを遠くにおいて使用する人や腕を上げるとどちらかの腕が耳につきにくいとか、1日30分以上歩いていない、スマートフォンで1日1時間は画面を見ている、目が疲れやすく、ドライアイになりやすい、また、枕がない方が寝やすい、仰向けで寝にくいなどの項目に半数以上当てはまる人はストレートネックになっている可能性があります。

 ストレートネックは予防が大切で、普段の生活習慣、特に座り方に気をつける必要があります。下腹部に力を入れて、骨盤から背骨にかけて立った状態を意識して負担の少ない座り方をすることが重要です。長時間同じ姿勢で座り続けるときは、1時間に1回は簡単なストレッチをすると良く、骨盤を起こしてしっかり座るには、骨盤から腰、背筋のストレッチや腹筋などの筋力訓練も大切です。

 脚を組まないように気をつけたり、ストレッチ体操として、腕を後ろに組んで息を吐きながら肩甲骨の間の筋肉を緊張させるように胸を反らしたり、イスに座ったまま両手を挙げて息を吐きながら腕も後ろにそらした後、肩から首にかけての筋肉を左右交互にゆっくり息を吐きながら伸ばすとよいでしょう。また、うつ伏せ状態から腕を徐々に伸ばしてお腹の筋肉を伸ばしていく運動も効果があります。

2012年7月27日