ホップ葉、免疫高める効果 がん予防にも期待
マウス実験でホルモン増加 秋田・横手の公社と秋田大
横手市大雄の第三セクター・大雄振興公社の鈴木広道社長と秋田大の池本敦准教授はこのほど、ビールの原料として知られるホップの葉に、免疫力を高める作用のある成分が含まれていることが分かったと発表した。がんや感染症の予防効果が期待されるという。
池本准教授によると、ホップ葉粉末を2%加えた高脂肪食▽緑茶粉末を2%加えた高脂肪食▽何も加えない高脂肪食――をマウスに2カ月間与えた結果、ホップ葉粉末入り餌を与えたマウスは、ひ臓の重量が増加。細胞性免疫を活性化させるホルモン「インターロイキン2」の増加が確認されたという。血中中性脂肪の量は、緑茶粉末入り餌を与えたマウスより少なく、メタボリック症候群の症状改善にも役立つ可能性があるという。
ホップは大雄地区の特産品。ホップの葉で茶を製造している同公社は、研究成果を特許として先月30日に出願した。どの成分が有効なのかは特定できていないため、今後も研究を進める。
同公社は昨年度、1・23ヘクタールでホップを栽培し、茶葉にして560キロを販売、3900万円を売り上げた。今年度は山形県のスーパーなど県外にも販路を拡大。14年度には売上高1億円を目指すという。鈴木社長は「ホップ農家の戸数は減少している。少しでも農家の支えになれば」と、さらなる販路拡大に意欲を見せた。【坂本太郎】