ノロウイルスの特徴と注意点
 

ノロウイルスは、主に冬場に急性の胃腸炎の原因となるウイルスの1つで、感染力が非常に強いのが特徴です。
僅か数個でも感染し、腸の中で増殖を繰り返して下痢やおう吐などの症状を引き起こします。

ウイルスがついた手や食べ物などを介して口から感染します。
潜伏期間は1日から2日で、健康な大人の場合は数日で回復しますが、子どもや高齢者などでは脱水症状を起こして重症化したり、吐いた物をのどに詰まらせて窒息し死亡したりするおそれがあります。

ノロウイルスにワクチンや特効薬はなく、発症した場合、吐き気を止めたり胃腸を整えたりする薬などを使うのが一般的だということです。
下痢止めの薬は回復を遅らせることがあるため、使わないほうが望ましいとされています。

通常、症状が続く時間は短く、その間に脱水症状にならないよう水分の補給を心がけることが大切です。
ただ、症状がなくなっても通常では1週間程度、長いときには1か月程度、便の中からウイルスが検出されることもあるため、引き続き感染への注意が必要になります。

アルコールによる消毒はほとんど効果がなく、患者の便や吐いた物を処理する際には、マスクや手袋をして雑巾などで拭き取ったうえで薄めた塩素系の消毒剤で消毒します。

患者が触れたドアノブや日用品などからウイルスが検出されることもあるため、同じように消毒が必要です。

また、食べ物を通じて感染する場合も多く、特に子どもやお年寄りなどは、加熱が必要な食品は中心部までしっかり加熱して食べることが大切です。
加熱の目安は85度以上で1分以上とされています。


2012年12月30日 提供:NHKWEB ニュース