米国人の健康度は最下位 日本など17先進国で

 

【ワシントン共同】米国人がどの程度健康で長生きできるかを日本や欧州を含む17の先進国間で比較したところ、病気や事故による死亡率や平均余命など多くの指標で健康度が最も低かったとする報告書を、科学者組織の全米アカデミーが9日発表した。

 日本人女性の出生時平均余命は17カ国中1位(85・98歳)、日本人男性は3位(79・20歳)だったが、米国人女性は16位(80・78歳)、米国人男性は17位(75・64歳)と短かった。

 報告書はこうした結果について、医療制度の問題や高カロリーの食習慣に加え、銃犯罪や自動車依存といった社会的要因も大きいと指摘。他の先進国を参考にして早急に改善策を検討するよう求めている。

 報告書は健康向上策に役立てるため国立衛生研究所(NIH)が作成を依頼。米国民1人当たりの医療費は日本や欧州各国、カナダ、オーストラリアに比べて高いが、50歳までに死亡する人の割合は男女とも米国が最も高かった。

 肥満や糖尿病といった生活習慣病のほか、銃犯罪や交通事故、薬物被害や性感染症などによって若年層の健康が損なわれているのが背景。50歳以上まで生きた人の生活の質を落とす結果にもなっていると分析している。

2013年1月10日 提供:共同通信社