睡眠悪いと前立腺癌リスク増 【米国癌学会】
進行性癌はさらに睡眠との関連性強い

 

睡眠時無呼吸などで睡眠障害がある場合は早期に、
咬合歯列の改善やマウスピース治療を始めることが大切かな


 米国癌学会(AACR)は5月7日、睡眠問題を抱えた男性の前立腺癌リスクは約2倍高いという研究結果を紹介した。Cancer Epidemiology, Biomarkers & Prevention誌に掲載している。
 女性では不眠と高い乳癌リスクとの関連性が一貫して報告されているが、前立腺癌については睡眠との関係はあまり知られていない。今回の研究では、男性2102人に睡眠に関する4つの質問を尋ね、5年間追跡し、睡眠が前立腺癌に及ぼす影響を調査した。
 寝つきや睡眠維持の問題が「重度」であると報告した者が8.7%、「非常に重度」が5.7%であった。試験登録時に前立腺癌の者はいなかったが、追跡調査期間中に6.4%が前立腺癌と診断された。睡眠の問題を報告した男性の前立腺癌リスクは、重症度に比例して1.6倍から2.1倍高かった。「非常に重度」の睡眠問題を報告した男性の進行性前立腺癌リスクは3倍以上高く、進行性前立腺癌と睡眠問題との関連性は強かった。これらの結果は、夜間多尿と関連可能性のある睡眠障害の男性を除外して再解析した後でも変わらなかった。
 本研究の筆頭著者Lara G. Sigurdardottir氏は「さらなる大規模かつ長期間のコホート研究によって今回の結果が裏付けられれば、男性にとって大きな問題である前立腺癌のリスクを減らすため、睡眠問題がターゲットとなり、介入が加わるであろう」としている。

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2013年5月16日 提供:米国学会短信