睡眠時無呼吸で心突然死増 【米国心臓学会】
 

睡眠時無呼吸で心突然死増 【米国心臓学会】
酸素飽和度78%未満でリスク80%高まる

 米国心臓学会(ACC)は6月11日、閉塞性睡眠時無呼吸は、心臓突然死のリスクを有意に高める可能性があるとの大規模試験結果を紹介した。Journal of the American College of Cardiologyにオンライン掲載している。

就寝中に10秒間以上呼吸が止まることが1時間に5回以上あれば、睡眠時無呼吸と診断される。米国では1200万人以上の成人が罹患しているとも言われ、その多くは未診断である。高血圧や心房細動、心臓発作などの心疾患との関連性が広く報告されている。

本試験では、1万701人を平均5.3年間追跡調査し、睡眠時無呼吸と心臓突然死との関係を検討した。心臓突然死は142人に見られた。最も多かった予測指標は、年齢60歳、無呼吸のエピソードが1時間に20回、酸素飽和度78%未満であった。

睡眠時無呼吸患者は就寝中、空気が肺に届かないことで血中酸素濃度が低くなり、酸素飽和度が低下する。78%を下回ると心臓突然死のリスクが80%高まることが試験で示された。また、睡眠時無呼吸患者は、単に夜の時間帯にリスクが高いのではなく、全体的な心突然死リスクが睡眠時無呼吸のない人に比べて高いことも試験で明確になっている。

「就寝中に相手が何度も呼吸を止めているようであれば、睡眠時無呼吸の重要な徴候である。治療により、本人ばかりでなくパートナーの生活の質も改善され、心血管疾患予防となる可能性がある」と本試験統括著者のSomers氏は述べている。

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2013年6月20日 提供:米国学会短信