糖尿病患者が、服薬などで重い低血糖を起こした場合、起こさなかった人に比べ、心筋梗塞や脳卒中を起こす危険が2倍高まるとする研究成果を、国立国際医療研究センター糖尿病研究部の後藤温上級研究員らがまとめた。
英国医師会誌に31日、発表した。
研究グループは、米国などで行われた6つの研究の糖尿病患者計約90万3500人分のデータを解析した。その結果、血糖値が下がりすぎて意識を失うような重い低血糖を起こした人は、起こさなかった人より2・05倍、心筋梗塞や脳卒中を起こす危険が高かった。
低血糖を起こす患者の中には、感染症などほかの重い病気を患う人もいる。研究グループは、これらの影響も考慮して分析したが、低血糖が、心筋梗塞や脳卒中の直接の発症リスクとなることは否定できなかった。