呼吸器系の「RSウイルス感染症」が県内で流行している。県の定点調査で先週(11〜17日)、患者数が急増し、同時期としては過去10年で最多となった。例年は12月にピークを迎えるため、今後さらに増える恐れがある。抵抗力の弱い1歳未満の乳児では、呼吸困難に陥るなど重症化する恐れもあり、県は注意を呼び掛けている。
県内の48医療機関で実施している定点調査で、先週報告された患者数は135人。前の週の77人から1・75倍に増えた。県健康増進課によると、全国的にも流行しているという。
同課によると、同感染症は鼻水やせきなどが初期症状で、風邪と区別がつかないという。抗体のない乳幼児は気管支炎になり、38〜39度の熱が出ることもある。2歳までに大部分の乳幼児が感染するため、感染自体を必要以上に心配する必要はないという。一方、重症化には注意が必要で、県は風邪の軽い症状でも早めに医療機関を受診して、感染の有無を確認することを勧める。
せきやくしゃみなどで飛び散ったウイルスを吸い込んだ場合や、ウイルスが付着したドアノブに触れることで感染する。感染の予防策はうがいや手洗いのほか、人の混み合った場所でのマスクの着用。乳児の場合は兄弟や両親など家族から感染するケースが多く、県は帰宅直後や接触する直前に手洗いなどを入念に行うよう呼び掛けている。【松本晃】