大腸がん、一酸化窒素が一因 岡山大大学院助教ら確認
  

岡山大大学院医歯薬学総合研究科の田澤大助教(消化器外科学)、鳥取大医学部の岡田太教授(病態生化学)らのグループは、ヒトの良性腫瘍である大腸腺腫細胞を用いた実験で、慢性的な炎症細胞から出る一酸化窒素(NO)が、大腸がんの原因の一つとなっていることを突き止めた。NOの余分な発生を抑制して適量にコントロールする薬剤を開発すれば、大腸がんの予防や発生リスクの低減につながる成果として注目を集めている。

クローン病や潰瘍性大腸炎などの炎症性腸疾患患者は国内に約14万人おり、慢性化すると大腸がんの併発リスクが高まることは知られているが、そのメカニズムは不明だった。

グループは、炎症細胞が作り出すNOが、体内に侵入したウイルスなどを攻撃する一方で、炎症が長引いて過剰に作られると、正常細胞に悪影響を及ぼすとされてきた点に着目。ヒトの腺腫細胞を培養したシャーレに6カ月間、NOを入れ続けたところ、多くの細胞が大腸がん細胞になることを確認した。マウスの背中に移植すると、300日後には1センチ角のがんになったという。

一方、大腸に炎症を起こしたマウスに腺腫細胞を移植し、NO発生を減らす効果がある薬剤を与えた結果、がん化までの期間を100日ほど遅らせることができた。成果は米科学誌に掲載された。

田澤助教は「慢性胃炎や逆流性食道炎など大腸以外の炎症性疾患にも当てはまる可能性がある。今後も研究を続け、がん細胞の発生メカニズムを解明していきたい」としている。

2013年11月5日 提供:山陽新聞