禁煙心リスク低下、意外と早い 【米国心臓協会】
  

15年以下の禁煙でも効果あり

 米国心臓協会(AHA)は11月20日、喫煙者が禁煙した場合の心臓病リスクは従来考えられていたよりも短期間で非喫煙者と同レベルにまで低下するという研究結果を紹介した。同学会のScientific Sessions 2013で発表。

 研究者らは、1989年に始まったCardiovascular Health Studyの13年分の医療情報を分析。禁煙歴15年以下の喫煙経験者853人と喫煙経験のない2557人(いずれも65歳以上)を比較した。853人の喫煙経験者のうち、319人は喫煙量が32パック年(1日に喫煙したたばこのパック数と喫煙年数を掛けたもの)であった。

 結果を年齢、性別、人種で調整した場合、喫煙量が32パック年未満の被験者は、禁煙期間15年以下(平均8年)で心不全の発症あるいは心不全、心臓発作および脳卒中で死亡するリスクが非喫煙者と同レベルにまで低下していることが分かった。

 今回の結果では、心臓病リスクは低下しているものの、癌や慢性閉塞性肺疾患、肺気腫など、心血管系ではない疾病での死亡リスクは依然として高い。また、32パック年以上の喫煙量の場合は心臓病による死亡リスクも高くなっている。研究者は、「喫煙者はできるだけ早く禁煙を」と呼びかけている。

2013年12月2日 提供:米国学会短信