長寿の秘密は?零下196度で生きるヒル 凍結、解凍に耐える
  

零下196度で生きるヒル 凍結、解凍に耐える

 ほとんどの生物が死ぬ零下196度の液体窒素に入れて凍結した後でも生きているヒルを発見したと、東京海洋大の鈴木徹(すずき・とおる)教授(食品冷凍学)らのチームが22日付の米科学誌電子版に発表した。

 このヒルは、本州の川などに生息するクサガメに寄生する体長約1センチの「ヌマエラビル」。チームが研究用に冷凍保管していたクサガメを解凍したところ、寄生していたヒルが動きだしたのをきっかけに詳しく調べた。

 その結果、液体窒素に24時間漬けて体内の水分を凍らせても解凍すると生きていた。ヒルの成体だけでなく、ふ化直後の幼体や卵も生き残った。同じ実験をした他の5種類のヒルは全て死んだ。

 零下90度の凍結には、最長32カ月耐えることも確認。零下100度の凍結と解凍を繰り返しても、最大12回まで生き残った。

 どのような仕組みで凍結に耐えているかは全く不明。極低温でも死なないことが知られるクマムシは凍結から体を守る糖を体内に蓄積するが、ヒルの体にそのような物質は見つからなかった。

 鈴木教授は「ヌマエラビルは生態も不明だ。今回のメカニズムが分かれば臓器の凍結保存などへの応用が期待できる」と話している。

※米科学誌はプロスワン

2014年1月23日 提供:共同通信社