感染症:「成人T細胞白血病ウイルス」多数の性交渉感染がある?


「成人T細胞白血病ウイルス」多数の性交渉感染

重い白血病や徐々に歩けなくなる神経難病の原因となる「成人T細胞白血病ウイルス」に、母子感染以外の性交渉などで感染する人が年間推定3000-4000人いることが、日赤中央血液研究所の佐竹正博副所長のグループによる調査でわかった。

性交渉による感染者で重い白血病を発症する人はほとんどないとされているが、未解明の部分も多く、実態調査を進める。

2005-06年の献血者のうち、11年までに新たに感染が分かった人が532人おり、年代や地方ごとの人口割合を補正して、全国の感染者数を計算した。10万人当たりの年間の感染は男性2・3人、女性6・9人と、女性が3倍多かった。

成人T細胞白血病は、母乳などで感染した子どもの発症確率が5%と高く、国は授乳前の妊娠の時点でウイルス検査を行い、母子感染の予防を進めている。

一方、性交渉などで感染した場合、神経難病は0・3%が発症すると言われているが、詳しい実態は分かっていない。同グループは14年度から、性交渉で感染した人がどの程度発症するか、調査を始める予定だ。


2014年3月19日 提供:読売新聞