睡眠時の気道確保デバイス発売
就寝時に鼻に差し込むだけで気道確保
スーパーレジン工業の関連会社である米セブン・ドリーマーズ・ラボラトリーズ(阪根信一社長)は、睡眠時の気道確保用デバイスを国内外で発売する。このほど厚生労働省の認証を受け、4月14日から国内の病院や薬局向けに販売を開始することが決まった。続いて5月からは欧州でも代理店を通じて展開予定。コンタクトレンズのような違和感の少ない装着感のほか、軽量で持ち運びが容易なうえ、電源が不要で、使い捨て、滅菌品であるため衛生的であるなど、多くの特徴を持つ。2018年には37億円、20年には100億円の売り上げ達成を目指す。
開発したのは、ステントタイプの長さ10センチメートル程度のチューブ状製品。就寝時に鼻に差し込むだけで気道を確保できる。
市場では現在、鼻口を覆うマスクと接続したボックス型の電子機器から空気を送り込む製品が使われている。しかし、常に配線とつながれているうえ、継続的な機械音やマスクの装着による不快感から寝ている間に取り外してしまう患者も多いという。
開発品は、素材には生体適合性に優れる特殊なエラストマーを使用した。軟組織の機械物性に近いため違和感の少ない装着感でありながら、装着時に押しつぶされず気道をしっかり確保する。昨年4月、欧州の「CEマーク」を取得した時から、成形方法を工夫し、以前より低価格での提供を可能にした。同社では、潜在患者を含めた患者数を日欧米だけで7000万人とみて、その一部を掘り起こすだけでも、大きなビジネスにつなげられるとしている。
自宅で簡単に症状の程度を検査できるスマートフォンのアプリも開発中。また、1台30万〜100万円かかる病院用の検査装置も、3万〜5万円程度に引き下げられる新型装置を今夏までに開発しており、来年初頭からの市場投入を目指している。市場開拓用のツールとして気道確保用デバイスとともに売り込んでいく。
日本と欧州はクラス1,相当の認可だが、米国では来春までに米国食品医薬品局(FDA)のクラス2,相当の認可取得を目指している。
生産はスーパーレジン工業の中国子会社である寧波麗成超級樹脂で行う。