新生児から保湿、アトピーリスク3割減
国立成育医療研究センター
赤ちゃんが生まれた直後から皮膚の保湿を続けると、アトピー性皮膚炎になるリスクを約3割下げられるとする研究結果を、国立成育医療研究センターなどがまとめた。アトピーは乾燥などで皮膚の防御機能が乱れると発症すると考えられている。新生児のうちから適切な対処をすれば、予防できる可能性が高いという。京都市で9日に開かれる日本アレルギー学会春季臨床大会で発表する。
親か兄姉がアトピー性皮膚炎と診断されている赤ちゃん116人を対象に調べた。1日1回以上体を洗った後、皮膚が乾燥している部分だけにワセリンを塗るグループと、全身に乳液状の保湿剤を塗るグループにくじ引きで分け、32週後のアトピー発症率を比べた。ワセリンを塗った子は58%が発症したが、保湿剤を塗った子の発症は37%にとどまった。統計学的にみて発症のリスクを約3割下げられたという。アトピーの発症はその後、食物アレルギーやぜんそくなどが次々と現れる状態のきっかけになると指摘されており、早期予防が重要とされる。(岡崎明子)
引用:朝日新聞 2014年5月9日(金)