カラコン、目に障害負うおそれ 医師「承認基準変更を」
国民生活センターは22日、カラーコンタクトレンズ(カラコン)17銘柄の安全性をテストしたところ、角膜や結膜の眼障害を起こしやすいものがあることがわかったと発表した。国の基準を満たさない形のものがあったほか、着色部分がレンズ表面に出ていたりするものも多かったという。
カラコンは厚生労働相の承認が必要な高度管理医療機器だが、着色部に関する基準はない。同センターは業界に商品の改善を求めるとともに、国にも承認基準見直しなどを検討するよう要望した。消費者には「リスクを理解し、必ず眼科医の処方に従って選んで欲しい」と呼びかけている。
発表によると、テストは日本コンタクトレンズ学会、日本眼科医会と共同で実施。インターネット通販サイトや女性雑誌などを調べ、利用者が多いと思われた17銘柄を対象とした。
その結果、レンズの直径が承認基準を超えるものが2銘柄、湾曲の具合が基準を満たさないものが5銘柄あった。また、着色部分がレンズの表面に確認されたものが11銘柄あった。このうち9銘柄はホームページで「着色部分はレンズに埋め込まれており安全」などと宣伝していたという。
さらに各銘柄を10人ずつに8時間つけてもらい、眼障害の有無を調べた。その結果、ジョンソン・エンド・ジョンソン社の「ワンデーアキュビューディファイン」を除く16銘柄は、使用中止や治療が必要なほど、角膜や結膜の障害が見られる例があったという。
調査に携わった日本コンタクトレンズ学会常任理事の糸井素純医師は「着色の安全性も確認されておらず、承認基準の変更が必要だ」と語った。
メーカーなど30社が加盟する日本コンタクトレンズ協会は「対応について加盟社と協議をしている」と話している。ジョンソン・エンド・ジョンソン社は「消費者の啓発活動に尽力します」とコメントを出した。
カラコンは10〜20代の女性を中心に広く使われている。全国の消費生活センターには2009年からの5年間でカラコンに関する相談が541件寄せられている。娘が購入したカラコンについて母親が相談してくるケースが多く、相談事例の契約当事者の半分が10代だという。
国民生活センターは17銘柄の詳しいテスト結果をホームページ(http://www.kokusen.go.jp/)に掲載している。(小泉浩樹)
引用: 朝日新聞 2014年5月23日(金)