およそ740万人いるといわれている糖尿病患者のうち、1型は15万人。生活習慣が原因とされる2型とは異なり、遺伝やウイルス感染が原因とされる。主に小児期に発症することが多いが、最近では若い女性の間で増えている。

膵臓(すいぞう)に存在しインスリンを分泌する膵島(すいとう、別名ランゲルハンス島)が破壊されて発病する。インスリンは血糖値を調節するホルモンで、不足すると血液中のブドウ糖が高濃度になり高血糖と呼ばれる状態になる。

治療の基本はインスリン注射で定期的に補う。血糖値は食事の量・内容や運動量などで毎日変わるため、1日数回測定しインスリンを打つ回数や量をきめ細かくコントロールすることが大事。知らない間に急激に血糖値が下がりすぎる無自覚性低血糖になると、急にけいれんが起き、意識がなくなる可能性があるので注意しなければならない。

根治療法としてほかの人の膵島を取り出して患者の肝臓に点滴で移植する膵島移植が注目されている。東北大学病院の後藤昌史助教授は「無自覚性低血糖の人は膵島移植の対象になるので主治医に相談してほしい」と話す。



初期の主な症状


・やたらとのどが渇く
・飲み物を多く飲んで尿が大量に出る
・たくさん食べるのに体重が増えない
・全身がだるい

進行した場合の症状


・食欲低下
・昏睡状態に陥る


2007.3.25 日本経済新聞