心の強さをきたえるには?

ストレス後の心筋症に注意 高齢女性に多い発症

岩手・宮城内陸地震で最大震度6強の揺れに遭い、余震や避難所生活でストレスが続く被災者には、心臓の筋肉の一部がまひして収縮機能が低下する「タコつぼ型心筋症」の発症が懸念される。専門医は「息苦しさや胸の痛みを感じたら医療機関に相談してほしい」と呼び掛けている。

新潟大の相沢義房(あいざわ・よしふさ)教授(循環器病学)によると、この病気は大災害や手術などで受けた強いストレスが原因と考えられ、高齢の女性に多い。地震発生数日後から息苦しさや空ぜき、胸の痛みなどの軽い症状が出始め、安静にしていれば1カ月程度で回復するが、まれに心不全や危険な不整脈になることもあるという。

相沢教授は「外見上は変わりなくても、精神的に深く傷ついている場合もある。最初の1週間ぐらいはささいな症状でも注意が必要で、避難所ではお互いの体調に気を配ってほしい」と話す。

新潟県中越地震で10人以上を診断した立川総合病院(長岡市)の岡部正明(おかべ・まさあき)院長も「急性心筋梗塞(こうそく)のような状態で病院を訪れた人の中に、この病気の人がいた。大きな余震が続いて中越地震の時と状況が似ており、注意が必要だ」と話している。


2008.6.17 記事提供 共同通信社