耳垢を奥のほうまで、掻きだしてはダメ〜

耳垢:ありがた迷惑?

過度の耳垢を安全に除去するための新ガイドライン設定
Kelley Colihan
WebMD Medical News

【8月29日】身体は驚異的である。かつては役割がなかった耳垢を考えてください。以前は耳垢を除去しようと試みていた。現在、耳垢に役割があることがわかっている。

取り替える必要がないということを除いて、車のオイルのようなものと考えてください。

耳垢は、外耳道にある分泌腺からの分泌物、剥離脱落した皮膚細胞、毛髪の破片が混ざり合って形成される。

耳垢には浄化作用があるほか、敏感な外耳道を保護し、潤滑する役割もある。

通常、余分な耳垢は、耳かきをしなくても、顎の運動によって、自然に耳から排出される。

そのときに少し掃除できるが、耳かきは使用せず、表面に出てきた耳垢だけを掃除するのが望ましい。

したがって、耳垢は、本質的には有益であるが、過剰な耳垢は障害を引き起こしうる。

米国耳鼻咽喉科頭頸部外科学会(American Academy of Otolaryngology - Head and Neck Surgery Foundation:AAO-HNSF)は、医師が耳垢の蓄積を認識し、最善の耳垢除去法を見つけ、耳垢が問題となったときに患者に対応するためのガイドラインを発表している。 このガイドラインは、耳の皮膚疾患などの特定の病態に関連する耳垢塞栓には適用されない。

earwaxの臨床名はcerumenである。

「米国では年間約1200万人が、耳垢塞栓や過剰耳垢のため、医療機関を受診している」と、Guideline Development Task Forceのリーダーを務めたRichard Rosenfeld, MD はニュースリリースで述べている。

医療従事者によって、年間約800万件の耳垢除去が行われていると、同博士は述べている。「医師が介入の有害性と有益性を理解するために臨床実践ガイドラインを作成することが不可欠であった」と、Rosenfeld博士は述べている。

このガイドラインは、聴覚学、家庭医学、老年医学、内科学、看護学、外科学、小児科学の専門家グループによって作成された。

ガイドラインの要点を以下に列挙する。

・委員会は、症状を起こしている場合または検査の障害になる場合に耳垢塞栓を治療するよう医師に強く勧めた。

過剰な耳垢の症状:

・耳の痛み、痒み、耳鳴り、難聴

専門家はどのように除去するか?1つは、水をそっと流し込んで余分な耳垢を除去する灌注法である。

・耳垢歴について患者に尋ねる習慣をつけるよう医師に勧めている。
・補聴器を使用している人は、耳垢の蓄積がないか定期的に検査を受けるのが望ましい。これによって、補聴器の機能を維持し、補聴器損傷のリスクを減少させることができる。
・綿棒やイヤーキャンドルを用いて自分自身で耳垢を除去しないよう強く勧めている。
・耳垢塞栓のリスクが高い人は、6-12カ月毎に耳の洗浄を行うのが望ましい。

「耳垢塞栓による合併症は、感染症や難聴など、持続的で痛みを伴うことがある」と、委員会の筆頭著者であるPeter Roland, MDは述べた。

「これらのガイドラインは、問題を早期に発見し、重篤な転帰を回避するために必要なツールを医師に与えるものと期待されている」と、同博士は付け加えた。

このガイドラインは、『Otolarynology-Head and Neck Surgery』9月号に掲載されている。

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2008.8.29 記事提供 WebMD