蓄膿症、治りにくいタイプも


 蓄膿(ちくのう)症(慢性副鼻腔炎)のなかで好酸球性副鼻腔炎と呼ぶタイプが最近、専門家の間で注目されている。治りにくく、患者も増加傾向にあるという。
 急性も含めて毎年1000万人以上が発症するとされる副鼻腔炎は、鼻の周りにある骨の空洞では炎症が起きる。好酸球性は血液中の白血球の一種である好酸球が活性化し炎症を引き起こす。主な症状はニオイがしなくなる嗅覚(きゅうかく)障害。鼻の中にポリープが多発して鼻づまりになったり、ときどき粘りけの強い鼻水が出たりする。
 順天堂大学の池田勝久教授は「ぜんそく患者やその予備軍がかかりやすい。せきや呼吸困難など気管支の症状にも一緒に注意する必要がある」と話す。
 治療は内視鏡手術で鼻のポリープを取り除いたり、ステロイド剤を服用したりする。手術後に風邪を引いたり喫煙を続けていたりすると、再発の可能性が高くなる。
 治療は長引くケースが多い。ステロイド剤を短期間服用するだけで再発を抑えられるため、患者自身が嗅覚障害など再発の兆候に早めに気づくことが重要だという。

好酸球性副鼻腔炎の主な特徴
・ニオイがしない嗅覚障害になる
・鼻がつまる
・粘りけのある鼻水が出る
・ぜんそくを合併する
・中高年や喫煙者に多い
・再発しやすく治療が長引くケースが多い

2007.11.18 記事提供 日経新聞