動脈硬化:動脈硬化発症は免疫の働き原因…

動脈硬化発症は免疫の働き原因…帝京大など調査

 動脈硬化の原因となる悪玉コレステロールの血管への蓄積は、体を守る免疫細胞の働きによって起きていることを、米マサチューセッツ大学と帝京大学の河野肇講師らのグループが突き止めた。

  患者の増加は、長寿命化や食生活の変化に免疫の仕組みが追いついていないためと考えられるという。29日付の英科学誌ネイチャーに発表する。

  動脈硬化は血管の壁に悪玉コレステロールがたまり、血管が詰まって脳梗塞(こうそく)や心筋梗塞の原因になる生活習慣病。なぜコレステロールが蓄積するかは不明だった。河野講師らは、脂質を代謝しにくいマウスに高カロリーの餌を食べさせ、血管の変化を観察。2週間後、細菌やウイルスを処理する免疫細胞のマクロファージが血管の内側に集まり、血液中のコレステロールを異物とみなして食べ始めた。

  だが、マクロファージはコレステロールをほとんど分解できずに死んでしまい、コレステロールの結晶が残留。マクロファージには仲間を呼び寄せる性質があり、血管の壁がマクロファージの「墓場」となって、コレステロール結晶が雪だるま式に蓄積することがわかった。

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2010.4.29 記事提供:読売新聞