妊娠糖尿病発症防ぐ仕組み解明
インスリンの機能低下改善
順天堂大など
妊娠糖尿病を起こすインスリンの機能低下を防ぐ仕組みを、綿田裕孝・順天堂大教授(内科・代謝内分泌学)らの研究チームが発見した。米医学誌ネイチャー・メディシン(電子版)に発表した。
妊娠中は血糖値を下げるインスリンの働きが低下。膵臓(すいぞう)のインスリン分泌細胞が増え、インスリンを分泌して機能低下を補う。しかし、10人に1人の割合で機能改善ができず、その仕組みは謎だった。チームは、妊娠中のマウスの膵臓からインスリン分泌細胞を取り出し、妊娠していないマウスと比べた。
その結果、妊娠中に限って、同細胞内で「セロトニン」という物質の合成酵素が大量に作られているのを発見。培養した同細胞にセロトニンを投与すると増殖。逆に、機能を抑える薬を妊娠マウスに投与すると、増殖が抑えられた。【須田桃子】
2010.6.30 記事提供:毎日新聞社 |