東日本大震災で最多の犠牲者を出した宮城県石巻市で、7カ月にわたり全国から集まった合同救護チームを統括した激動の体験を「石巻災害医療の全記録」(講談社)として出版した。 避難所の衛生問題、薬難民の発生、ガソリン不足...。記録には、次々と難題が持ち上がる中、「災害医療コーディネーター」として、行政や企業と交渉し解決していくプロセスが生き生きと描き出されている。各地から集まった救護チームは延べ3633チーム、1万5千人に及び、その調整は至難の業だった。 石巻赤十字病院の外科部長。「すご腕」のイメージだが、昨年3月11日までは無名の平凡な外科医だった。「手術もうまいわけじゃない。大学でも劣等生、テニス部も万年補欠でした」 コーディネーターとしては、全ての人に敬意を持って接するよう心掛けた。どんな職業の人でもプロとして話を聞き、活動しやすいよう要望にも可能な限り応えた。 チームでも雰囲気づくりに神経を使った。「今が底力を示す時だ」。震災以降、毎日つけていたメモには会議でチームを鼓舞するための決め言葉も書き込まれている。 「全ての職種の人たちが結束し困難に立ち向かった群像劇を書いた。日本人も捨てたものじゃないと感じてもらえれば」 病院でのあだ名は「小学生」。「子どもっぽい言動が多いので」と笑う。仙台市の自宅では高校生と中学生、小学生の3人の子どもが単身赴任の父親の帰りを待つ。49歳。東京都出身。
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2012年3月12日 提供:共同通信社 |
北茨城市大津町北町の市立総合病院の看護師、渡辺由香さん(46)は昨年3月11日、ナースステーションで震度6弱の激震に襲われた。棚から大量の点滴の袋やカルテが床に放り出され、机やいすが大きく揺れるなか、足元をふらつかせながら寝たきりの女性患者(85)の病室に向かった。 ベッドのそばの人工呼吸器からは「ピー、ピー」とアラーム音がけたたましく鳴っていた。女性は意識がなく自発呼吸ができない患者。院内は停電後すぐに非常用の自家発電に切り替わったが、いつ余震で電気が途絶え、人工呼吸器が止まってしまうかわからない。「必ず助けるからね」と声をかけながら、女性の口元に簡易人工呼吸具をあてて手で押し、日が暮れるまで空気を送り続けた。 □ ■ 患者や医師らは無事だったが、電気、ガス、水道がストップ。自家発電機の燃料となる軽油は20時間分しか備蓄がなく、あまりの被害の大きさに早期の復旧は見込めなかった。同病院は翌12日、入院患者ら93人全員を転院、帰宅させ、外来患者のみを受け付けることにした。高度な医療機器を備えた県北地域の中核病院として課題が残った。 市は震災前、老朽化した同病院を取り壊し、関南町関本下の県立北茨城高校跡地に移転新築する計画を立てていた。 新病院は免震構造を取り入れ、医療器具や毛布、食料を大量に備蓄できる倉庫を備える。市は震災を機に、さらに太陽光発電パネルの設置や井戸の掘削、増床などの検討を始めた。土井幹雄院長は「どんな大きな災害が起きても、住民の命を守る“最後の砦(とりで)”でありたい」と力を込める。 ■ □ 個人医院となると事態はもっと深刻だ。 水戸市上水戸の石渡産婦人科病院は自家発電機が燃料切れですぐに使えなくなり、近くのガソリンスタンドも閉店。胎児の心音をチェックする装置が使えないため、石渡勇院長は聴診器で何度も胎児の状態を確認しながら、懐中電灯の明かりを頼りに男の子を取り上げた。 出産は時に大量出血を伴うことがあり、その場合、妊婦を外科や麻酔科を備えた総合病院に搬送させなければならない。石渡院長は「震災時のように電話が通じず、個人医院が孤立すれば、患者の命にかかわる」と指摘。「個人医院や総合病院、自治体が災害時に連携が取れるようにすることが重要だ」と強調する。 県は地域防災計画の見直し作業のなかで、病院側に燃料を3日分用意することや、衛星携帯電話の設置を求めることを検討している。一刻を争う命の現場では、二重、三重に備えを固めることが必要だ。
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2012年3月10日 提供:読売新聞 |
(兵庫)3.11後の県民意識調査 家庭で防災対策 激増
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2012年2月21日 提供:読売新聞 |
防災の専門家「富士山が噴火しないのがおかしい状況」と分析 東京大学地震研究所の平田直教授のチームが発表した衝撃的な数値が、読売新聞の見出しに躍ってからわずか5日後のことだった。山梨県東部富士五湖を震源とするM5級の地震が1月28日の午前7時44分から54分にかけて連発。最大で震度5弱を記録する揺れが2度も発生した。 これも首都直下型地震の前兆なのか、あるいはもっと別の災害の前触れか。武蔵野学院大学特任教授(地震学)の島村英紀氏の口から出たのは、こんなシナリオだった。 「あの地震は首都直下型の地震というより、東海地震の前兆と考えられます。3.11の4日後に発生した静岡・富士宮での震度6強の地震と同じく、東海地震を食い止めている留め金のひとつが破壊されたものなんです」 島村氏がいう東海地震とは、政府や多くの専門家が東南海、南海との連動を危惧する巨大地震のひとつ。文献などによれば、684年に起きた白鳳地震を皮切りに、100〜200年に1度のペースで発生している。その都度、隣接する東南海、南海という震源域で地震を連動させている。 近年では、地震と津波によって2万人もの死者を出したとされる1707年の宝永地震。死者3000人近い被害を出した1854年の安政東海地震がある。 立命館大学歴史都市防災研究センターの高橋学教授は、これまでにない大型連動の可能性を示唆する。 「東海地震が起こるといわれてもう30年くらいが経ちました。実は1944年に東南海地震と南海地震がすでに起きているのですが、このとき、これまでなら連動していたはずの東海地震が起こらなかった。 それは地震のエネルギーがため込まれた状態になっていることを意味します。もし東海地震が発生すれば、これまでにない大規模な地震が発生し、東南海、南海との3連動のみならず広島から豊後水道のエリア、奄美大島から沖縄にかけてのエリアも同時に動く可能性があります」 加えて、1月28日に発生した地震の震源に近い富士山にも危機が訪れている。 「3連動地震の発生と富士山の噴火が同時期に起こるというのは、地震研究者にとってはほとんど常識です。1707年の宝永地震の際には、発生から49日後に、富士山が爆発しました。安政東海地震は例外的に噴火はありませんでしたが、もう宝永地震から300年以上も経っている。噴火しないのがおかしい状況です」(前出・高橋氏) ※女性セブン2012年2月16日号 専門家が指摘 「富士山が噴火した9世紀と今は酷似している」 「1983年と2000年に三宅島で、1986年には大島で噴火が起きましたが、9世紀にも伊豆諸島で大噴火が起きています。そして2000年の鳥取県西部、2004年の新潟中越の地震は、9世紀にも同じような場所で発生している。さかのぼると、1964年の新潟、1983年の日本海中部で起きた地震も同じ。そして、9世紀最大級の地震である貞観三陸地震があった場所で今回の東日本大震災が起きたんです」 津久井氏によると、9世紀に発生し、20世紀後半に起きていないのは、もはや東海・東南海・南海の連動地震と富士山の噴火だけなのだという。 そして、これを裏付けるような富士山の異変を指摘するのが、琉球大学名誉教授(地震地質学)の木村政昭氏だ。 「数年前から5合目より上で、噴気が吹き上がっていて、湧き水による水たまりがたくさん発見されています。富士山の山頂近くの斜面は永久凍土のため、普通はもっと低い位置に湧き水が流れるんです。これは富士山内部のマグマが上昇しその熱によるものである可能性が高い」 木村氏のもとには、旅行者のコンパスを狂わすという不思議な現象も報告されているという。 「現在、富士山の地下では地震によって太平洋プレートが大きく沈み込み、マグマが持ち上げられている状態が続いている。連動地震が発生しなくても、今後4年以内に噴火してしまうかもしれません」(前出・木村氏) ※女性セブン2012年2月16日号
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2012年2月3日 提供:女性セブン |
またM9クラスの地震が起きるような噂があります。 皆さん備えあれば憂いなしですが、しっかりシュミレーションしてみましょう。これはかなり可視化した2011年の地震レポートです。 |
2011年12月5日 |
北海道大学 森谷武男博士 次のM9クラス巨大地震は12月〜2012年1月 (画像は3・11発生前およびその後の地震エコー観測グラフ)※クリックで拡大できます
3・11東日本大震災を受けて、その後全国の大学や研究機関で、従来と違う「新しい地震予知の方法」が模索されています。
ご紹介したい研究がいくつかあるのですが、今日は、その中の1つ、北海道大学地震火山研究観測センター森谷武男博士の研究について書かせて頂きます。
まずは、6月のニュースからです。
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(引用開始)
2010年6月末から3月11日の地震発生までほぼ毎日続き、地震発生直後も再び確認された。
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画像を見るとおわかりのように、3・11発生の約9ヶ月半前から「VHF電磁波・地震エコー」の数値が突如600を超え、ピーク時は1400を超えて完全に振り切れています。
その後収束に向かい、1回のリバウンドを経て数値が0の静穏期になった矢先に本震(「東日本大震災」)が発生しています。
3・11発生後、地震エコーの数値は再び大きなピークを形成し、次第に収束に向かっていることが読み取れます。
今回の「新たな地震エコー」の始まりは3月ですから、前回と同じ9ヶ月半を適用しますと、森谷博士の指摘通り12月末〜来年1月頃収束し、発生に至る可能性が疑われます。(データの山が大きく長大ですから、もっと先になってもおかしくないようにも見えます。)
これについても、最新の記事がありますので、ご覧ください。
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(引用開始)
1000年に一度と言われた「東日本大震災」ですが次の地震が到来するのが1000年どころか、もうすぐだと言う研究結果を北海道大学 地震火山研究観測センターが発表し話題となっております。
その根拠としては、特殊な地震エコーと呼ばれる周波をキャッチし分析した結果、東日本大震災と同じ現象が起きていると言うのです。しかも時期としては今年中にもう一回来る恐れがあると言う。
北海道大学 地震火山研究観測センターの記事を要約すると
・東北地方太平洋沖地震の前に89.9MHzの地震エコーが観測された。
・現在、前回と良く似た経過をたどっており、もしもこのまま3月11日の地震の前と同じ経過をたどるとすれば,再びM9クラスの地震が発生すると推定される。
・震央は宮城県南部沖から茨城県沖の日本海溝南部付近。
・発生は12月から2012年01月。
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私は、震源については「地震の目理論」(琉球大学・木村政昭名誉教授が提唱)の立場を取りますので、震源は「千葉県沖」を中心とした関東地方と見ています。(ここにはすでに「巨大地震の目」が形成されています。)
その場合は、江戸時代に起きた「延宝津波地震」や「元禄地震」の再来となるものと考えます。両者とも巨大津波を伴いましたので、地震だけでなく、津波への警戒が必要です。
3・11東日本大地震の人的被害のほとんどが「津波」であったことを考えますと、日頃の防災意識が生死を分けることは言うまでもありません。
過去、科学の予測する地震の多くは、結果としてはずれています。
ですから、あまり起きてもいないことで取り越し苦労をしてはいけませんが、「万一」の際のシミュレーションや準備だけはしておきたいものです。
最後に、森谷博士の最新研究とホームページをリンクしておきますので、興味のある方はご覧ください。
●再びマグニチュード9の地震が発生する確率が高くなってきました
●森谷武男ホームぺージ |
2011年12月4日 提供:北海道大学 森谷武男氏 |
下記の情報をもらいました。 週刊現代などの週刊誌で「次の大地震」について色々な記事が出ているようですね。記事そのものがどのようなものか私は読んでいませんが、名前の出ている研究者は皆良く知っています。週刊現代では北大の話を取り上げて、再びM9クラスの大地震が発生するというような事を言っているのだと推察しています。確かに東日本大震災の前に観測された異常と同じような異常(電波伝搬の異常)が観測されているのは事実です。ただ、体には感じませんが、3月11日の後、地下ではゆっくりとした変動(余効変動といいます)が続いていて、すでにマグニチュードに換算すると8.5程度 の滑りが東北地方で観測 まず現状(事実関係)をお知らせします。3月11日の地震で、日本列島は全く新しい状態になってしまいました。地震学におけるコンセンサスとして、 1)房総沖 実は上の話は今後10年以内に起こるのではという気の長い話です。さらに東京直下型地震についての危険性はこれまで以上に高まったと言えます。 実はこんなに長期間(=150年以上)東京直下でM7クラスの地震が発生しないという事は歴史的(過去1500年)にはありませんでした(前回の 地震は1855年の安政江戸地震)。はたして近代化(都市化)した東京で直下型地震の直撃を受けたらどうなるか、一応被害想定はなされていますが、実際にはほとんど根拠のないものです。石原都知事にも話したのですが、首都圏直下型地震は地震災害というより経済災害(=日本発の世界恐 慌?)だと思います。 また房総沖でM8クラスの地震が発生しますと、浦安などではふたたび液状化が発生します(という私自身が紺屋の白袴で新浦安に住んでいます。。。)。 いまの状況は21世紀は9世紀に日本列島に起きた地変と極めて状況が似ています。我々が生きている間、どんなに遅くても子供の時代には富士山噴火を含めて、大地動乱の時代になりそうです(今後50年間というスケールで)。 ただ地震はエネルギーの割に人を殺すのが下手な現象です(エネルギーだけな阪神大震災ですら、広島型原爆の1000倍もあります)。 |
2011年11月16日 |