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1995年「マイタウン らぶりぃあさお」掲載記事より。



1995年1月マイタウンらぶりぃあさお掲載
レーザー治療2
レーザーは、放射能と違い光と熱で治療するので後遺症などの心配がありません。収束性の光を当て、組織にエネルギーを加え変化させるのです。主に炭酸ガス、Nb−YAG、アルゴン、He−Ndなどに分ける事ができます。炭酸ガスレーザーは、波長が長く安定しており、粘膜組織の切開や止血効果にすぐれ、外科手術によく使われています。Nb−YAGレーザーは、高出力がでるのが特色で、黒い色によく吸収されます。この特徴を利用して美容ではアザやシミ除去に、歯科ではエナメル質内の初期の虫歯の処置や色素沈着の除去などに使われます。He−Neレーザーは、温度の上昇が少なく、歯質の透過性がよいといわれます。それぞれの特徴に合わせて使い分けられています。歯を一生懸命磨きすぎて歯の根元が削れてしまい、水がしみるなどの症状がでる知覚過敏や口内炎などにも有効です。

1995年2月マイタウンらぶりぃあさお掲載
地震で思うこと
天災、このおおよそ想像を絶するできごとに、私たちのできることは何があるのか考えさせられます。亡くなられた方、残された家族の方たち、家をなくされた方たちの心情や生活のことを考えると、できる限りの援助をしなければと思っています。衣服やその他の生活用品、トイレなどはもちろん、入れ歯やメガネをなくして不自由をしている方も多いのではないでしょうか。また通院中の方もいらっしゃることでしょう。災害地に臨時歯科診療所を設けたり、ハブラシなどの援助も含め、歯科医師として現地におもむき、食ぺたり、話したりすのに困っている方たちを診てあげなけれぱと……。私たち自身の事として、速やかな行動が必要です。合掌

1995年3月マイタウンらぶりぃあさお掲載
就学児検診
少しずつ春に近づいて来ているようです。春には1年生。楽しみですね。その前に虫歯、歯肉炎のチェックは終りましたか。学校検診では、確かに幼児の虫歯が少なくなっていますが、まだまだ全体の数%なのです。欧米のように公共水道にフッ素の添加が行われていないので乳幼児の歯質の強化は期待できません。小学校の低学年までの虫歯は、百%確実に親の責任です。円滑な親子関係と、その上に築かれた規律のある日常生は、お子さんの口の中にはっきりと結果となってでてきます。無理のない毎日毎日の積み重ねが予妨のひとつだと思います。最近は、アゴの未発育のために歯列不正の学竈学童が多く、確実に歯みがきができていない子供がほとんどです。小学校5〜6年生までには自立した日常生活の中で自分の口のブラッシソグに関しては、プロになっていてほしいものです。

1995年4月マイタウンらぶりぃあさお掲載
唾液について1
唾液にはとても大切な働きが多く隠されています。免疫やホルモンの作用も確認されています。たとえぱ、食物を咀嚼することで分泌が促進されます。唾液でこねられた食物は、より消化されやすくなり飲み込まれやすくなります。また話しをする時にも舌や唇の動きをスムーズにしています。1日の分泌量は1〜1.5Pでそのうち99%が水分ですが、残りは粘りに関係するムチンなどの無機質とリンなどの有機質です。唾液は放っておくと二酸化炭素をだしてアルカリ性になります。この時リン酸カルシウムが沈殿しますが、これが口の中のバイキンの死がいなどと一緒に歯石となります。食事後ブラッシングを直にしないと歯石はたまる一方です。特に唾液腺の開口部付近の下の前歯の裏側、上の奥歯の頬側はただでさえつきやすい所です。歯石は放っておくと細菌の温床となり歯周炎をおこします。

1995年5月マイタウンらぶりぃあさお掲載
唾液について2
唾液の働きのひとつに、食ぺ物の味の元になる物質を溶かして舌に反応させ、味覚を感じさせる働きがあります。そして唾液が、咀嚼された食べ物といっしょに、胃の中にはいると胃液の分泌が、促進されます。よくかんで食べると、唾液もたくさんでるので、消化がよくなるのはこういうことからもいえます。もうひとつ、大切な働きに唾液の緩衝作用というものがあります。口の中でできた、たとえば、砂糖が分解されてできた酸やあるいはすっぱい食べ物など、口の口の中に直接入ってきた酸性やアルカリ性のものを中和する働きです。この働きが、そければよいほど、虫歯にかかりにくいといえます。すぐ虫歯になってしまうという方は、この働きが弱くなっていて、唾液の量も少ないのかもしれません。唾液の量が少ないと、食べかすを洗い流す自浄作用が弱く、口の中に多く残ってしまいます。

1995年6月マイタウンらぶりぃあさお掲載
唾液について3
唾液の量が少ないと、たべかすを洗い流す自浄作用が弱くなり、歯の表面にたべかすが残ってしまいます。また酸性やアルカリ性のものを中和する力、緩衝作用が弱くなって、虫歯になりやすくなってしまいます。この唾液の量を増やすには、食事はよく噛んで楽しく食べること、食後30分位でシュガーレスのガムを食べるといいと思います。シュガーレスのものは唾液を増やし、酸性化した口の中を中和し抗菌作用で菌を抑制します。でも食べ過ぎると下痢しやすくなるのでほどほどにしましょう。やはり楽しく食事するのが、効果があるように思われます。他に唾液の作用には、唾液の中のリゾチームやペルオキシダーゼという物質が微生物の発育を抑え、免疫物質も殺菌作用を行います。血液凝固促進因子も唾液中に存在するので、口の中の傷は比較的早く治ります。

1995年7月マイタウンらぶりぃあさお掲載
唾液について4
前回までは、唾液の性質、大事な働きについて書いてきましたが、唾液を分泌する唾液腺からは、唾液だけではなくパロチンというホルモンも分泌されます。耳下腺、顎下腺の大きな唾液腺から分泌されます。このホルモンは、骨や歯や毛などの硬組織の栄養発育にとって大切な働きをします。骨や歯に対して石灰化を促す作用と、血液中のカルシウムを少なくさせる作用で骨や歯を丈夫にします。また、インシュリンに似た糖代謝もあるといわれています。これらの唾液腺の働きを活発にするためにも、よくかんでゆっくり楽しい食事をしましょう。唾液を詳しく調べると、いろいろ分かってきます。歯周病になってしまうと唾液の質、性状が変わってきます。例えぱ蛋白分解酵素といった組織を破壊するものが増えてきたり、カルシウムを奪ってしまうムチンが増えて、唾液がねばねぱしてきます。

1995年8月マイタウンらぶりぃあさお掲載
最新セラミック技術について1
奥歯の金属色や前歯の治療のあとの変色などを気にして来院される方が目立ちます。最近は、自然感を大切になさる方が増えているようです。接着セメントの進歩もあり、コンピューターを応用したセラミック製作システム(セレックシステム)がドイツで10年ほど前に開発されました。見た目はもちろん、耐久性や生体親和性も天然歯に近い性質をもった材質を使うことができるようになり、虫歯を治療し、形を整えたあとレーザーカメラで立体的にその形をコンピューターに読み込んで、修復物の設計を決定し、セラミックのブロックを削り出します。微調整を含めて約1時間で装着して終了です。従来のセラミックよりも、改良されたブロックを使うことで、均質で強度のある物ができ、技工にだす手間もなく、治療費用も三分の一ですみます。また来院回数も1回で終わることができ大変便利です。

1995年9月マイタウンらぶりぃあさお掲載
睡液について5
虫歯の予防のためにいろいろな方法がありますが、フッ化物による方法が、今日ではよく使われています。しかし、虫歯の活動性の高い人に対しては、このフッ化物も限界があるようです。虫歯の活動性が高いというのは、唾液が酸性になってしまった後に、すぐに元のPHに戻す力(緩衝能力)が弱かったり、虫歯菌の量が多いということで、普通に手入れをしていても根面カリエスや接触点カリエスに数か月でなってしまいます。こういう方たちの予防には、唾液の緩衝能カを上げることが以要です。良く噛むことで分泌量を増加させたり、ミネラルバランスを考え、緩衝成分(Caイオン、Mgイオン)不足にならないようにします。食後にシュガーレスガムを噛むなどして、唾液を増やすことも効果があります。

1995年10月マイタウンらぶりぃあさお掲載
地球の虫歯
フランスのムルロア環礁における地下核実験が再開されました。たくさんの抗議があるなか、自分の国を守るためだけの自然破壊活動を行い抗議デモに参加した議員に圧力をかける。憤りを通り越し悲しみを感じます。また、米国、ロシア、イギリス、フランス、中国の核保有5か国が今までに2千回以上の核実験を行っていたことにも驚きを隠せません。一国のわがままを黙認する代償にどれだけのものがあるのか私には分かりませんが、1日も早く核とお別れしましょう。最近ムルロアに、見かけは小さいかも知れないけれど、虫歯を作ってしまった地球は今、想像以上に虫歯は深く、夜も眠れずに痛くて泣いているかも知れません。これ以上の痛みを与えないために、核という細菌と闘っていかなけれぱと思います。朝晩過ごしやすくなりました。秋の味覚を十分楽しむために、お口の定期検診を。

1995年11月マイタウンらぶりぃあさお掲載
健康な生活1
行楽シーズン到来です。アウトドアグッズが売れていると聞きます。災害が発生し電気、ガス、水道などのライフラインを断たれた時、サバイバルして生き残るために、キャンブは自然の中で限られた資材、食料で生活する基礎体験となり、活かされるでしょう。アウトドアライフヘの願望は、普段の生活が資材を多量に使って暮らしている高コストな生活から無意識に逃避しようとしている現れでは…?。もっと低エネルギー低コストな生活が21世紀に実現しなけれぱならない私たちの使命では…?。健康的な生活を望みながら、実現できないでいる私たち。死亡率第一位肺ガンで年間何十万人が途中死をしているにも関わらず、減らない喫煙率は50%(米国では10%)。火事の主な原因で、その社会の損失も多大なはずです。私たち一人一人が無理や無駄を避けた生活を送ることが大切でしょう。

1995年12月マイタウンらぶりぃあさお掲載
「緊急情報」
歯を白くする歯磨き粉が、よくテレビCMで流れています。白い歯は確かに、健康的なイメージです。歯磨き粉の箱の裏には、初期の虫歯や微小欠損のところを、歯磨き粉の中の成分が再石灰化させ、表面をスムーズにすると説明がありますが、99%、再石灰化はあり得ないでしょう。アパタイトの微小粉末は活性化されなけれぱ、ただの砂と同じ研磨剤なのです。滅菌処理をされた薬用アパタイトを体内にいれれぱ、骨サイト細胞により処理され、一応身体に適応しますが、口腔内の歯牙表面では、ただの研磨剤です。セメント壁の穴に砂やジャリだけを塗っても、けっして穴が頑丈に埋まったりしないのと同じです。みなさん、研磨作用の高い歯磨き剤にだまされないようにしてください。10年たって、知覚過敏で大変です。