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すくすく育て!元気な歯!

 
-MyTownらぶりぃあさお掲載記事より-
1992年7月1日号

PART1:

6月4日から歯の衛生週間には、川崎歯科医師会でも各地の歯科センターや保健所で、無料検診やブラッシング指導を行いました。今日は、つつみ歯科が百合ヶ丘に開業して30年ということで、一般歯科で、歯周病のブラッシング指導に熱心な堤一樹先生(K)、カルシウムを始め、身体の代謝について、歯との関連を研究している鎌田富紀子先生(T)、小児歯科担当の佐藤旬美先生(H)にお集まりいただき、「歯と健康」についてお話いただきました。

ホワイトファミリー つつみ歯科の活動を通して

司会)つつみ歯科は、一樹先生で四代目とお聞きしましたが、先生の医療活動の上でコレは大きいでしょうね!

K)エエ、物心ついたときから回りに患者さんや家族の方がいて、父や祖父の言動を見てきましたから、大変だなァと。絶対に別の職業につくゾって。絵が好きだったので、建築家か絵描きになりたかった。18歳で東京歯科大に入り、卒業に11年かかりました。(笑い)本当に歯科医をやって行こうと決心したのは入学8年目。ずいぶんと回り道しました。

司)今、回り道が役立っている!(笑い)

K)祖父は16歳で歯科医学書を筆一本で写本して、墨絵を描いたり。父もバンカラでハーモニカやビリヤードはプロ並み、不良だった。その償いか、仏教活動、歯科ペンクラブの主宰で啓蒙活動を40年も続けましたから……

司)やはり、お父様の影響は大きいのでしょうネ。確か、矯正専門の開業では日本で初めてとか。40年も前に日本に矯正する患者さんいたのですか?

K)ほとんど、米軍の家族でしたネ。今の日本がうそみたいです。

M)百合ヶ丘診療所の矯正システムの基礎は父が作ったものですし、全国に矯正センターを作って開業医の先生方に矯正を指導していました。診た患者数では日本一じゃないですか、倉庫に二万以上のデーターが残っています。先生、幼稚園で検診をして、何か気付いた事はないですか?

健康な生活をおくる心構え

H)私は、この6年間子供達の口腔内を診させていただいてますが、虫歯の処置は良くひどい虫歯はわずかです。しかし口の中は汚染されているという印象を受けています。地球環境が問題となっていますが、同じ様に生活形式の変化わけても食生活の変化たとえば歯の解ける酸の強いお菓子か飲料も多いし、一日中砂糖づけといった感じです。

K)幼稚園の入園時になかった虫歯が、大事な6歳臼歯が生える頃にグーンと増えて、処置歯ばかりになる。子供の間食に無関心で、食べ方や後始末を教える親が少ないのじゃない?

T)シュガーレスの菓子を与えることも大切だけど、後始末をするという考え方を幼児期からしつけることの方が、もっともっと大事なのよネ。食べたらお菓子のフクロはそのままか、道端にポイ!ジュースのカンも飲み残しのまま。歯磨きも、そういうしつけの問題だと思う。環境問題と一緒。私たちの責任ヨ。

H)アレルギー体質が増えて、いつも鼻が詰まっていて口で呼吸する。喉のリンパ(アデノイド)がいつも腫れている。

K)今年は黄バナ(黄鼻汁)を垂らしている園児が多かった。栄養失調の時代でもないのに、子どもたちに何か起こっているみたい。口呼吸していると出歯になるでしょう。

H)いつも口を開けているので、舌の運動領域が前に寄るし、唇の筋肉の緊張も弱くなるし、下顎がさがって、上顎前突になりやすいワ。

K)20歳過ぎて矯正する人も増えているようだけど、やはり小学校の2、3年で始めるのがいい。顔の発育や筋肉の成長にも脳の発達にもよい影響があるみたいだね。

T)身体の姿勢がよくなる。アメリカではクラス全員が矯正してる。ヨーロッパでは半分。調査によると、パンの堅さが大きく違うこと、飲んでいる水に含まれるカルシウムが倍ほどヨーロッパの方が多いの。象皮病という、カルシウムの取り過ぎの病気があったくらい。

K)だからヨーロッパにバランスをとったミネラルウォーターが広まったわけか。エビアン水は生理食塩水(海水)に近いから安全なンダ。

T)ヨーロッパは石灰大地のアルカリ土壌、日本は火山性の酸性土壌。湧き出る水の成分も全然違う。特にCaが不足で、最近は山間部に強い酸性雨が降って、水道水でも虫歯になるくらいのPh5以下の酸性だよ。国産のボトルミネラルウォーターを検査したら、全部酸性だった。、空気も水も環境全体が酸性化して未来は?ネ。

環境変化と私たちの食生活 生活環境の酸性化

T)酸性水を飲んだから、身体が酸性になるわけではないけれど、ますますCaの吸収が悪くなるし、恒常性を維持するためのストレスは大きいネ。日本食は土壌環境にあっていて、魚、海草、豆はとてもいい。

H)成長期の人、ストレスの多い人、更年期の人ほど酸性体質に傾きやすい。Ca不足は精神不安や糖尿などの代謝系の病気を導き、歯周病ではアゴの骨を弱くする!

K)Ca不足の人の虫歯や骨の溶けるのは驚くほど早い。1年くらいで治療した歯の再治療が必要なことが多い。

T)Caの取りやすい食事を心掛けることはもちろんだけど、Caの吸収を妨げたり、身体から奪うような食物を採らないように気をつけることも大切ヨ。

K)辛いものはNa、肉はアミノ酸、糖分とカフェイン。これらを食べ過ぎたら、Caも多めにしないと、炭酸ジュースもCaの吸収を妨げるしネ。

水と歯

T)身体にやさしい食事は、何でも程々にバランスよく食べ、洋食より和食っていうことネ。Caをスームスに採るにはイオンの形で、特に牛乳は吸収率がいいの。イオン整水器を使った水もストレスの少ない、安全なカルシウムイオン水としてよいのヨ。

司)知らないことばかりでとても参考になりました。ますますのご活躍を。最後に、歯の健康10ヶ条を…。これは癌の12ヶ条と似ていますね。歯も命の財産ということですか。

 

あなたの歯と健康を守る10カ条 −8020(80歳で20本を)達成のための提案−

1) 全身の健康管理に気を配る。

2) 1日30種類以上の食品を、1口30回以上噛む。

3) 野菜や歯ごたえのあるものをできるだけ食べる。

4) 清涼飲料は避け、飲料に砂糖を入れない。

5) 食品は薄味で、インスタント食品は避ける。

6) 食後は必ず口の中の食べカスを除く。

7) 歯の清掃は歯ブラシだけでなく、歯間用の糸ようじや歯間ブラシを使う。

8) 6か月毎に少なくとも3回以上は歯ブラシ指導を受ける。

9) 30歳から定期的に検診と歯石掃除を受ける。

10) 不安を感じたら症状が無くてもまず受診する。

庄司文明(農文協より) 堤一樹、一部改案

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