White Family dental-site

 

すくすく育て!元気な歯!

 
-MyTownらぶりぃあさお掲載記事より-
1996年1月1日号

PART5:

半年に一度、歯の定期検診を受けることはとても大切なことです。半年に一度(6月4日「虫歯の日」と11月8日「いい歯の日」)の歯の日は意義ある日だと思います。  今回も、ホワイトファミリー歯科のスタッフにお集まりいただき、歯と健康について、お話しいただきました。

子供にも増加!歯周病

今回も患者さんからの質問にお答えするため、スタッフ全員で、レポートをまとめてみました。データーは95年度を参考にしてあります。  最近、日本は経済も不調、政治も不作と、精神にも、歯にも良くない、社会全体が行き先を見失った船のようで、 ハルマゲドンを信じたりしそうで…。やはり、こういう不確定な時は、自分を磨く?に限ります。『健康な肉体に、健康な魂が宿る』ではないですが、いま信じられるのは、自分の肉体だけでしょう。不測の事態でも、生き残り、サバイバルする為にも、自己管理を正しく行う事です。歯は万病の元。歯を失うと、アゴとからだに響きます。  ほとんどの先進国ではムシ歯も歯周病も激減しています。なのに日本では、あまり変化していません。10年から20年分ぐらい引き離されています。悔しいですネ。  欧米においては、5才までの虫歯は20%台で、小学校の学童期の歯の交換期に矯正を受ける割合も70%台です。ホームドクターとして、皆さん気軽に検診を受けたり、歯の掃除を受けたりして、利用しています。大病になれば、とてもお金が掛かることも、予防処置をうければ、避けられるのです。充分避けられた修繕や修理をするという後ろ向きのことに、時間とお金を掛けるバカバカしい状態を断ち切りたいものです。  気軽に、歯科医に相談してもらえれば、もっと歯並びをきれいにしたり、歯を白くしたり、噛み合わせを直したり、取り外しの入れ歯を人工歯根で固定ブリッジにしたり、保険の銀やプラスチックの部分を、身体にやさしく安全なセラミックに変えたりと、より快適に生活できるような手伝いをしてくれるはずです。  また、自己流の手入れを、衛生士さんに直してもらい、マスターしたら、必ず6カ月に1度の掃除、チェックを受けるよう、前向きに取り組んでください。自分の身体は一生、死ぬまで一緒でしょう。もっと、いたわり、大事にしてください。  最近は子供たちの歯周病が増え、6年前と比べても、5ポイント上昇しています。40歳以降の歯の喪失の90%が歯周病です。喫煙やCa不足、間食が主な原因です。今年から気持ちを新たに、健康を獲得してください。健康な方も病気予備群と自覚して、健康維持にこころ配りを。 歯磨きのレッスンを受けよう  それではご質問にお答えしましょう。

1.歯を白くしたいのですが?

アメリカではほとんど、虫歯が無くなり、90%以上の子供が矯正をしています。6カ月に1度、デンタルクリニックかケアーショップへ行き、髪の毛をカラーリングしたり、カットするのと、同じ感覚で歯のクリーニングを受けています。  ここ4〜5年は歯をブリーチ(漂白)、ホワイトニングして白くすることが流行しています。日本歯科メーカー(松風)の現地法人が出した処置薬や、処置技術の確立で、今までと違い、手軽に歯を白く出来るのです。ただ、テレビの通販や、ドラッグストアで購入出来る、ホームケアー用は、歯にダメージを与え、虫歯になりやすく歯を弱くします。また3カ月ぐらいすると色が後もどりします。ゼリーの成分は酸で、歯肉炎を起こしたり歯の表面を溶かしたりということがおきてくるのです。  歯の色も内面の色が変色している時は、信頼出来る先生に相談して、セラミックベニア法などが、簡単に綺麗になります。保険のプラスチックの詰め物の変色にも、適しています。歯の表面の着色や変色は、一日の手入れの回数と、ブラシテクニックに影響されます。正しい手入れをマスターすれば、100%着色は無いのです。また、着色があるからと言って、研磨材のいっぱい入った歯磨ペーストを使わないでください。ホームケアー用に、アパガード、アパデント、スモカ、プロフィペースト、ホワイト&ホワイトなどが出ていますが、これらを使って手入れをしていたら、せっかく治療をした歯はもちろん、健康な歯も磨り減り、知覚過敏や歯肉退縮、楔状欠損、やがては、根面ムシ歯に悩むことになります。  やはり、6カ月ごとに、衛生士さんに、優しく、クリーニングを受けてください。  さて、6カ月に受けるケアーは、歯石取り、歯面の掃除、歯肉ポケットの検査、歯の間の掃除、フっ素ぬりと、結構あるものです。1年毎では、レントゲンも撮影して、アゴ全体のガンなど悪性病変の早期発見に努めたいものです。特に、タバコ、酒を日常的に愛好される方は、お願いします。  アメリカでの歯の漂白の流行は、今、日本にも飛び火しています。白くするためのペーストハミガキ、酸ゼリーなど、ムシ歯のない、自己管理の進んだアメリカでも問題を起こしている商品は買わずに、信頼できるホームドクターのカウンセリングを受けることが、最初でしょう。

2.ポケットって何ですか?

歯と歯肉との間の溝のことです。歯の根元が歯肉と結合して、バイキンが身体の中に入らないようになっています。結合は(上皮結合)は見せかけの歯肉より2ぐらい内側には入り込んでいます。  歯ブラシがきちんとできていて、歯肉が健康な状態にある時は、その溝の深さも1位から2位なのですが、うまく汚れを落とす事ができず、汚れ(歯垢)がたまっていると、だんだん溝も深くなり(上皮結合もこわれバイキンが侵入して)ひどい所では10位にもなるのです。そこまでいってしまうと溝の中の汚れを自分の力で洗い切れなくなってしまうのです(自浄力)。3以上の深いポケットからダメです。  歯肉炎や歯槽膿漏を予防するには、その歯と歯肉の境目の汚れを残さないことが大切になってきます。汚れが残っていることにより、酸素に触れると生きていけない悪性バイ菌などは、どんどん溝の中に逃げ込んでしまい、その中で増えていくのです。このため歯肉に炎症を起こし、『ポケット』といわれる溝がつくられていくのです。歯ブラシをする時はしっかり毛先をポケットの中に入れておそうじするように心がけて下さい。(毛先の圧力をコントロールして、位置決めをしっかりして下さい。)  小さく微振動させるためにも歯肉を守るためにも、できるだけ軟らかい毛束で、丸み加工のものが良いです。軽く持って、手首の動きで磨け、軽い圧力で、毛先がくぼみにと届くことが基本です。やはり、優れたインストラクターについて、適切な指導を受けないと、マスターできません。ゴルフやテニスの練習と同じで、何回ものトレーニングが必要ですが、習得できれば、結局、あなたの得となります。  ここで歯磨きの時に注意していただきたいのは、ブラシの動かし方です。往復反復の振動する動きは(ストローク動き)必ず、大きく動かしてしまい、横磨きの悪い動きにつながるので、決してやらないこと。ヒントはスパイラルモーションです。電動ハブラシで回転タイプをお薦めしたように、曲面、溝を掃除するのに、もっとも適した動きなのです。うずしおの渦のように、のの字を描きながら小さく絞り込む(スパイラル動き)。慣れるのに時間は掛かるでしょうが、出来るようようになると、いままでのストローク磨きの半分の時間でそれ以上にプラークがコントロール出来ます。

3.やわらかめの歯ブラシは歯ごたえがないのですが?

今までにどのような硬さの歯ブラシをご使用になっていましたか?  確かに硬めの歯ブラシというのはなかなか歯ごたえがあり、きっちり磨いたという錯覚をあたえやすいものなのです。ところが実際には、歯の表面などの汚れは落とすことは出来ても、歯と歯の間の細かな部分や歯と歯肉の境目の溝などの汚れは落としきれないものです。硬めの歯ブラシというのは歯ブラシの一本一本の毛が柔らかめのものと比べ、太くできているのです。そのため細かな隙間や、溝にはなかなか入っていかないのです。  硬めの歯ブラシで、歯ごたえのある位、強くゴシゴシといわせながら歯磨きを続けていたら、いくら硬い歯でも削れてしまいます。それに加え、研磨剤の入った練りハミガキをつけて磨いたら、毎日ヤスリで歯をこすっているようなものなのです。特に歯と歯肉の境目は削れやすいですから、それにともない歯肉もどんどん退縮していく場合があります。審美的に見てもあまりいいものではありませんし、エナメルを削ってしまう訳ですから虫歯になりやすくなってしまったり、削れただけ外からの刺激が歯の神経に伝わりやすくなり、温かいものや冷たいもので歯がしみるということにもなりえます。はっきりいいまして硬めのハブラシは使用しない方がよいでしょう。1ヶ月で毛先が開いてしまって歯ブラシは交換できても、削れた自分の歯は取かえられないのです。  ブラシの硬さのめやすは、腕の内側とか首筋など弱い皮膚を歯ブラシするようにゴシゴシこすっても、赤くなったり、痛かったりしないぐらいの柔らかさが理想です。毎日何回も何十年と続けてこするのですから、柔らかめの歯ブラシをすすめますが、今まで硬い歯ブラシを使っていた場合、柔らかめの歯ブラシですと歯ごたえがなく、歯を磨いた気がしないように思いますが、だからといって柔らかめの歯ブラシでゴシゴシと力を入れて強く磨いてしまったら硬めの歯ブラシを使って磨いているのと同じになってしまいます。柔らかめということは一本一本の毛が細くできているのです。ということは細かな隙間や溝にもそれだけ入っていきやすく汚れをおとすことができるということなのです。もちろん毛先がしっかりと歯面にあたっていなければ汚れはおとせません。しっかりと溝や隙間にブラシの毛先を入れて、毛先の弾力の範囲で小さく動かすようにすれば、きれいに汚れは落とせるのです。  歯ごたえはなくとも実際はきれいに磨けるのです。慣れるまではどうしても力が入りがちになってしまいますが、なるべく圧力を入れ過ぎないように心がけて下さい。力が入ると手首の関節が硬くなり肘で磨くので動きも大きくなります。ゴシゴシの力を抜くと手首で磨けてるので小さく軽く動かせます。  元気な歯で、健康的な新年をお過ごしください。

あなたの歯と健康を守る10カ条 −8020(80歳で20本を)達成のための提案−

1) 全身の健康管理に気を配る。

2) 1日30種類以上の食品を、1口30回以上噛む。

3) 野菜や歯ごたえのあるものをできるだけ食べる。

4) 清涼飲料は避け、飲料に砂糖を入れない。

5) 食品は薄味で、インスタント食品は避ける。

6) 食後は必ず口の中の食べカスを除く。

7) 歯の清掃は歯ブラシだけでなく、歯間用の糸ようじや歯間ブラシを使う。

8) 6か月毎に少なくとも3回以上は歯ブラシ指導を受ける。

9) 30歳から定期的に検診と歯石掃除を受ける。

10) 不安を感じたら症状が無くてもまず受診する。

庄司文明(農文協より) 堤一樹、一部改案