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すくすく育て!元気な歯!

 
-MyTownらぶりぃあさお掲載記事より-
1996年5月15日号

PART6:

「歯の健康」も環境問題を抜きには語れません。あらゆる“癌”が増えていることや、アレルギーの子供が急増していること、顎の細い、噛む力の弱い子供が多くなったのも、すべて環境破壊に他なりません。  今回は、それをどう乗り越えればよいのか考えてみました。

よく噛む人は、“ガン”にならない!?

日本人の死因N01を占める恐ろしい病気。なんでも食べられ、噛める事が、ガンの発生を未然に防ぐことがわかって来ました。 唾液はガン予防の特効薬!?  『早食いは早死にする』  良く噛んで食べて、唾液の分泌を良くする事は、消化吸収をよくして、胃への負担を軽くするだけでなく、食べ物の中の発ガン物質の毒性を和らげる酵素が作用し30秒間でその毒性の作用を弱める報告があります。現代、特にここ20年身の回りの食品には、多くの添加物が使われ、避ける事はムリ。でも良く噛んで、また噛める歯を保つ事がどんな薬にも劣らない唾液の機能を発揮させるのです。 なんでも水に流すのも止めよう  生を受け、この世に生れ出て、健康に成長している様に見えても、体の中には100%どこかに、欠陥があり、それをかばって生きているのです。言い換えれば、明日には、“病院でスパゲッティ状態”になるかも?しかも、ここ20 年の間に、欠陥の発生量や、欠陥の程度は悪い方に進んでいます。 今の子供たちの将来は?  例えば、エイズに感染していても、発症しない人がいる様に、病気の要素を内在していて、一見健康な人が増えているのです。病気の発病を抑えて、健康を保ち、自立した生活を保証してくれる要素をメリットファクター、病気を起こしやすくする要素をリスクファクターとして説明しましょう。  リスクファクターの第1に空気の汚染、第2に水の汚染、第3に電磁波汚染、第4に老化です。  空気汚染には、ディーゼル排気や、はるか中国大陸からの工業排気、そして一番身近なタバコの副流煙と、密閉空間の換気不足があります。水汚染には、空気中の酸性ガスによる酸性雨、ダムに溜めた地表水の酸性化、汚水や、リン化合物など高栄養科学肥料のための腐敗、それを中和するための塩素の過度の添加や活性炭による処理で、ミネラルの無い飲料水があります。ダイオキシンという恐ろしい毒物も、塩素処理から発生します。私たちは自らが、汚染の発生者であり、被害者なのです。 

お口の手入れ、歯磨は、水だけで充分

毎日、歯を白くしたいと、歯磨ペーストを使ってませんか?1本千円近い物など、宣伝に乗せられて、使っていれば、ほとんどが研磨作用なので、すぐに歯の摩耗が起きて来ます。10年使っていれば確実にくさび状に欠損して、また歯肉退縮で根面露出を起こします。 “ま、10年経って、PL法を盾にこんなになったと裁判するのも手ですが…”。  磨り減った歯は、ハブラシみたいに、新しく買えません。またトリクロ酸やら、クロロヘキシジンなど抗菌剤や、ビタミンの入った物も、洗面所から下水に流れ、水の汚染になっています。抗菌剤の光反応でダイオキシンができた報告がありました。  また台所で、なんでも洗剤で洗い、漂白するのも考え物です。拭き取れるものは紙で拭き取り、塩や天然の物できれいに出来るはず。生ゴミもいつまでも流しに溜めて、水に流さず、その場ですぐに別に置いて、たい肥にして植物にあげる。戦前はどうしていたのでしょう?  シャンプーリンスも同じです。水汚染を起こす物を売る洗剤メーカーも困り物ですが、無選別、無意識に買う私達も同罪です。すべて子供たちの未来に皺寄せされるのです。 タバコはやめよう。   身体の中は60%水です。水は、唾液、胃液、分泌液、リンパ液、血液、細胞液として、くまなく行き渡り、新鮮な酸素、栄養分を運びます。  また、化学反応を起こす場として第一に大切でしょう。正常な反応を安定供給してもらうには、体液は海水と同じミネラルバランスを維持し、微量な成分を欠かさない事。そのためには、まず、“タバコを止める”。  食べる食物は、新鮮で、とれたての、加工されていない物。野菜でも、冷蔵庫に2日以上いれると、サイトケミカルは消失して、ラジカルパワーが増し、過酸化物質が増えると報告されています。  1年間に100万近くの方がガンで死んでいるのです。第1位は肺癌。近年、結腸癌は、男女とも増え、乳癌は女性第1位です。日本でも増えつつある、ホルモン分泌に関連する癌については、東洋人はステロイドホルモンの分泌が白人の4分の1であること、日本食に多い野菜の外来性エストロゲンの一種イソフラボノイドがエストロゲンレセプタと結合して、性ホルモン結合を阻害することから、乳癌、大腸癌の発生を押さえているとの報告があります。食物繊維の発癌物質吸着作用とともに、大いに、モヤシ、パセリ、イモ、ブロッコリー、芽キャベツ、プチトマトなど食して貰いたい。  ベーターカロチンは癌発生抑制物質の旗手であるが、フィンランドの10年の喫煙者対象の実験で癌の発生と死亡が有意に増えた報告があり、1日に15mg以上は取らない様に、気を付けて頂きたい。良いと思われる物質でも、大量に採る事は望ましくない結果を招くのです。  『命を食べて命を養う』という道元の言葉を噛み締めて、メリットファクターをバランス良く、新鮮な食物から採り、グルメを楽しんで貰いたい。  体液は体の中をスムーズにくまなく循環出来ればいいのですが、これがなかなか難しい。唾液の分泌にしても、楽しく食べないと、10分の1に減る報告もあり、胃液など消化液や腸の運動も精神作用で変化するのです。つまり、くよくよして、後ろ向きの気分では、メリットファクターも体に吸収されない事になる。前向きの気持ち、メリハリを付け、身体を動かす事、綺麗な空気と水、新鮮な食べ物、みんながそれを求めれば、必ずすべてかなうのです。  まず、皆が集う、公共の場で節煙しませんか?レストランや、集会、飲み屋やディスコ、はては、リゾートの海岸、プールサイドの一服。すでに海外ではそんなことしていれば、白い目で見られる事は必至です。生きて今、健康である有り難さを自覚していたら、食前、食後の一服など出来ないはず。なにがグルメだと…。  お酒、アルコールは適量(日本酒1日1合以内)なら、筋肉を緩め、血管を掃除して新陳代謝を一時高めるので、寝る前の低温入浴(38度20分)と同じく、体中の体液循環をよくして、就寝中の修復機能を高め、気力を充実出来ます。しかし、タバコといっしょになると、毒性は数十倍になり、リスクファクターとして大きくなります。   つまり、夜更かしをして、酒を飲みつつ、タバコを吸わないにしても、隣の人が吸う副流煙を吸い込んで、酔っ払って、風呂にも入らず寝る。こんな事が月に何度も続けば、確実に“病院でスパゲティ”で、癌末期宣告を受ける事でしょう。  麻生区人口13万の年間200名の方が癌で死んでいきます。私達もその予備軍なのです。隣にタバコを吹かす人がいたら、辞めてもらった方が賢明です。良い事は早く法律で実行すべき。民意を待っていると、遅い事もゴミ問題と一緒です。日本の社会システムも海外諸国のようにダイナミックに改革されて行くべきです。そうしないと、タバコのニコチンや一酸化炭素、タール分の毒性はもちろんですが、体内の貴重なビタミンの破壊作用、ミネラルの排泄作用、吸収抑制、つまりメリットファクターを台無しにするのです。  しかも、麻薬コカイン以上に薬物依存作用が強いという報告があります。自分の意思で吸いたいから吸っているはずが、実は薬物作用に溺れているのに気付いていないだけなのでは?  吸わない人が自分の意思と無関係に煙を吸わされる、副流煙は吸っている人が吸う主煙よりも、有害物質を多く含み、急性症状としては、アレルギー粘膜反応(眼痛み、充血)、鼻(くしゃみ、鼻閉)、咽頭(咳、喘息)、呼吸抑制、血管収縮を起こし、非喫煙者は常習者より、症状は強く出ます。 空気汚染が歯並びの悪い子を増やしている!?  喫煙が血行を悪くして、抵抗力を低め、歯周病など慢性疾患の進行を早める事はすでにご存じの方は多いとおもいます。奥歯を無くす原因ではなくとも、リスクファクターではあるのです。  この様にリスクファクターに囲まれた生活の結果として、体質の変化、体格の変化が子供たちに起きています。チェルノブイリ事故ほどには成らないのですが、確実に増えているのです。まず、アトピー、花粉症と言われるディーゼル排気症候群。アレルギーと称される、自己免疫異常が遺伝的に増え、糖尿病、リウマチ、膠源病など、慢性難治性疾患が増えているのです。  アレルギーの子供たちは、成長期の大切な時期に、鼻閉をよく起こし、脳の冷却機能が低下する事で、ホルモンの分泌異常を起こします。  また口呼吸をする事で、舌の肥大、もしくは、前方移動を起こし、歯列弓の狭搾など上顎骨の成長不足を起こし、近眼や、自立神経障害を起こしやすく成ります。下顎では、やはり後方転位と成長不足でオトガイが小さく、咬合筋の付着方向の異常で強く噛めない、アゴエラのない細い顔に成り、下顎がいつも不安定なため、喉の筋肉の発育異常や、鎖骨の異常まで起し、やがては胸郭の形態異常まで報告されています。  そういう子供たちは当然のように運動不足で、東京湾のハゼの様に、背骨は湾曲しています。口呼吸は、歯の乾燥→ヒビワレ、歯肉退縮→歯肉炎。発音不良。顎関節症状も起こしやすいのです。 家庭の破壊が 歯並びを悪くする!?  愛情の欠乏や、スキンシップの不足も指しゃぶりを起し口呼吸と同じ結果を生じます。運動不足や愛情不足は、脳内ホルモンの不足を起し、糖質欲望、カフェイン依存などとともに、思春期には喫煙に走り、Ca欠乏から情緒不安定、非行と成ります。  この様な事を防ぐには、学童期の子供たちの、栄養や環境に対する教育を高いレベルで実地し、カウンセラーとともに悪習慣を無くして行かなければならないでしょう。

あなたの歯と健康を守る10カ条 −8020(80歳で20本を)達成のための提案−

1) 全身の健康管理に気を配る。

2) 1日30種類以上の食品を、1口30回以上噛む。

3) 野菜や歯ごたえのあるものをできるだけ食べる。

4) 清涼飲料は避け、飲料に砂糖を入れない。

5) 食品は薄味で、インスタント食品は避ける。

6) 食後は必ず口の中の食べカスを除く。

7) 歯の清掃は歯ブラシだけでなく、歯間用の糸ようじや歯間ブラシを使う。

8) 6か月毎に少なくとも3回以上は歯ブラシ指導を受ける。

9) 30歳から定期的に検診と歯石掃除を受ける。

10) 不安を感じたら症状が無くてもまず受診する。

庄司文明(農文協より) 堤一樹、一部改案