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コスメ感覚で歯のケアをする人が増えています。

 ◇歯磨き、パックで「美白」

 口元からのぞく歯は、髪や肌と同じように見た目の印象を左右する。これまで美容面から考えられることは少なかったが、最近はアンチエイジングやコスメ(化粧)感覚で歯のケアをする人が増えている。関連のグッズも続々と発売され、人気を集めている。

 ライオンは昨年2月、美白歯磨き剤「プラチアス」を発売した。独自の「イオンホワイトパック」を処方しており、くすみを浮かせて除去できるという。バラの花をアレンジしたおしゃれなパッケージにし、売り場も従来のオーラルケアから化粧品コーナーにまで拡大した。昨年末までに約150万本を売り上げ、当初の販売目標の1・5倍超だった。

 同社オーラルケア事業部の井上洋さんは「アンチエイジングが意識される中、歯のくすみや黄ばみを気にする人が増えてきた。スキンケアと同じ感覚で、歯磨きする女性に受け入れられた」と話す。

 花王は09年2月から、歯磨き剤「薬用ピュオーラ ナノブライト」を販売している。歯の沈着汚れを落とす天然由来の成分「フィチン酸」(光沢剤)を配合し、「つやのある白い歯にする作用がある」という。イメージキャラクターに女優の真矢みきさんを起用し、40代以上の女性をターゲットにした。

 歯磨き剤以外も他のメーカーでは、こするだけで歯の着色や黄ばみを落とす「消しゴムタイプ」の商品や、美白シートで歯をパックする商品などが登場している。

 また、パナソニックの携帯用の電動歯ブラシ「ポケットドルツ」は、昨年4月の発売以来、一時品切れ状態になるほど。ランチの後、トイレで化粧直しをする感覚で、気軽に歯磨きできるのが受けているという。

 デザインをマスカラに似た形とし、色もピンクを中心にカラフルな10色をそろえた。同社広報チームで美容商品を担当している佐々木真弓さんは「化粧ポーチに入るサイズで、コスメ感覚のものを狙って作ったのがズバリ当たった」と話す。

 ライオンが実施したオーラルケアに関するネット調査では、20〜50代の女性の86%が「歯を美しく保つ」ことを意識して磨いていた。コスメ感覚で歯磨き剤を選ぶ人も、半数近くにのぼった。テレビを見ながら、お風呂に入りながらの「ながら歯磨き」で1回4〜5分かける人も目立ち、歯磨きがおしゃれの一つになっている。【小川節子】

 

2011.01.27 記事提供:毎日新聞社