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日本歯科医師会震災活動報告4月18日 

■日歯、被災地訪問し意見交換
  「最大限の支援」を約束

 日歯の大久保満男会長と村上恵一専務理事、柳川忠廣常務理事は4月7日〜10日の4日間、高木幹正日歯連盟会長とともに東北地方太平洋沖地震で甚大な被害を受けた岩手、宮城、福島各の被災地を訪ね、被災地区会員をお見舞い、激励した他、意見交換等で状況把握に努め、最大限の支援を行っていくことを約束した。
  地震・津波の爪痕を残す被災地は、地域ごとに被災状況が異なり、身元確認や歯科治療態勢等への要望・対応も異なっていることが改めて浮き彫りにされた。
  ただ、身元確認における照合の際の検索ソフトの提供や、避難所での歯科治療を行うための歯科衛生士の派遣、被災した診療所の歯科医師や歯科衛生士等の雇用確保、生活基盤の回復に向けた対応など、共通した問題を抱えていることも分かった。
  4月14日現在、岩手県で3名、宮城県で5名、福島県で1名の計9名の会員が不幸にして亡くなられている。

■診療所復旧、再建へ国庫補助を
  日歯、復興支援措置を要望

 日歯は日歯連盟とともに細川律夫厚労大臣と大塚耕平同副大臣に4月14日、民主党災害対策本部、岡田克也民主党幹事長に13日、東北地方太平洋沖地震における地域歯科医療の復興支援に係る国庫補助等を要望した。
  要望に際し日歯は、地域の復興を支える重要な施策として、「地域歯科医療機関の復興を支援することが必要」と指摘。特に歯科診療所の復旧、再建のために必要な国庫補助等の救済措置の確保とともに、今後の融資に関わる条件の緩和等の支援を求めた。
  また、これら救済措置や支援に加えて、全ての歯科診療所が全壊・流失し、歯科診療所の復興が困難な地域である岩手県山田町・大槌町・宮古市田老地区・陸前高田市、宮城県南三陸町などに対しては、歯科診療所が再建されるまでの間、地域歯科医療を確保するための歯科診療所(仮設)の設置を要望した。
  5月末日までとされている患者一部負担金等の減免措置については、期間延長を求めた。
  避難所における被災者への支援に向けては、応急歯科治療や口腔ケアを実施するための機材の調達等への国庫補助及び避難所での歯科保健活動に対する報酬の支払いを要望した。
  雇用支援としては、被災により失職した歯科医師、歯科衛生士、歯科技工士の雇用確保の支援を要望した。
  その他、被災地区歯科医療機関に対する所要の施策も求めた。

■状況変化・現場要求に即し対応
  第7回災害対策本部

 日歯は4月13日、東北地方太平洋沖地震災害対策本部の第7回会議を開催し、大久保満男会長、村上恵一専務理事、柳川忠廣常務理事が高木幹正日歯連盟会長とともに4月7日〜10日の4日間、被災が甚大である岩手、宮城、福島各県を訪ね、会員及び被災地の被害状況を確認することと併せて、被災地会員等と意見交換し状況把握に努めたことを報告した。
  また、身元確認作業、歯科医療従事者や歯科診療車の派遣などの避難所等への歯科保健医療対策、支援物資の送付に関し、各被災地や避難所等の状況が刻々と変化していく中で、現場の要求・状況を常に把握し、その要求に即して対応していくことを改めて確認。
  特に身元確認作業については、福島第一原子力発電所から半径20km圏内のご遺体の身元確認が今後増えていくことに鑑み、自衛隊の歯科チームを中心に、経験豊富な歯科医師を派遣していく方向とした。

■被災地での診療に19名派遣

 日歯は厚労省からの被災地への歯科医師等の歯科医療従事者の派遣協力依頼を受けて、被災地での歯科診療態勢を整備するべく、派遣人員を募集している。
  4月14日現在、歯科医師620名、歯科衛生士85名など合計723名の歯科医療従事者が登録。宮城県の要請を受けて4月10日より、宮城県に19名が派遣されている。

■歯科診療車 岩手、宮城に3台ずつ派遣

 日歯は避難所等での生活を余儀なくされている被災された方々の誤嚥性肺炎予防を始めとした歯科保健・歯科医療を実施するべく、被災県に歯科診療車を派遣している。4月15日現在の派遣状況は次の通り。
○岩手県 3台(千葉県所有=3月31日、愛知県歯所有=4月3日、岐阜県歯所有=4月15日)
○宮城県 3台(広島県歯所有=4月1日、栃木県所有=4月3日、徳島県歯所有=4月7日)

■身元確認に延べ504名派遣

 身元確認派遣には4月15日現在、13都県歯から162名、延べ504名(岩手県156名、宮城県313名、福島県35名)が被災地及び警察庁の要請を受けて派遣され、身元確認に当たっている。
  また、日歯からの派遣とは別に、被災地の3県歯からも当該県に派遣されており、延べ954名(岩手県277名、宮城県528名、福島県149名)が身元確認に当たっている。
  なお、福島県においては3月24日から自衛隊所属の歯科医師延べ64名が身元確認に当たっている。

2011.04.18 記事提供:日本歯科医師会