White Family dental-site



HAPPY SMILE よ防さん VOL.19 歯科震災活動 As市戸

今回の東日本大震災で、歯科医師が果たすべき責務は、まず死者の身元を歯型の鑑定から確認する事でした。日々数百体から時に千体にも及ぶご遺体と向き合い、口の中の一本一本の歯の状況を調べ、身元を確認する事で、ご遺体を一刻も早くご遺族のもとにお返ししたい。この思いだけで、多くの歯科医師が悲しく辛い活動を果たしました。

次に大切な仕事は、過酷な状況にいる被災者、特に高齢者を中心に、その健康を口の健康を通してどのように守るかでした。ストレスと低栄養による健康被害が肺炎等を引き起こしますが、これは口のケアによって予防できるため、多くの歯科医師や歯科衛生士が避難所に出かけ、健康支援を行いました。被災地の復興は被災者の健康あってこそ果たせるのです。

平成元年から厚生省と日本歯科医師会が中心となり、80歳になっても20本以上自分の歯を保とうという8020運動が進めてきました。歯を失う最大の原因となる歯周病の予防啓発、毎日の歯や歯茎のチェックや正しい歯磨きの指導、歯間清掃用具の使用の推奨など様々な活動を進めてきました。現在では、8020の達成者は2割を超え、80歳での平均残存歯数も4.0本から9.8本まで増やす事ができました。8020を達成するためには、大人はもちろん、子供の頃からの正しい食生活や歯磨きなどの習慣がとても重要です。

飲食物や唾液が食道ではなく、肺へとつながる気管に入ってしまうと、むせて咳をして、誤って入ってしまった物を気管の外に出そうとします。しかし、誤って溜まってしまった場合、普段はお口の中にいて大人しくしている菌が肺まで達し、増殖して肺炎を起こす事があります。

ストレスを抱えると、外部から入ってきた細菌などから体を守る免疫機能が低下すると言われています。そうなると、細菌に感染しやすくなり、感染症である歯周病にもかかりやすくなります。

歯周病はかかりやすく、気づきにくいです。歯周病は歯肉炎、歯周病を総称する歯茎の周りの病気で細菌感染症です。難しいのは、複数の菌が起因しており、特定のワクチンを使用して治すことは現実的に不可能です。歯周病の1番の原因は歯と歯肉の境目にたまるプラーク中の細菌で、このプラークの中には300〜400種もの菌があり、そのうち歯周病の病原性を持っているのは30〜40種。この菌が歯周病になると、1000倍にも増えると言われています。歯周病が進行すると、歯肉や歯根膜、歯槽骨などの歯周組織が侵され、ついには歯が抜けてしまいます。

最新の研究では、ある特定の遺伝子を持った人は、重症な歯周病になりやすいことがわかってきました。将来的には、遺伝子の解析で、「あなたは重症の歯周病になりやすいので予防をしっかりしましょう。」という診断が可能になるかもしれません。これから歯科と医科の連携がますます重要になってきます。

お口のケアをしっかりすれば、全身の健康を高められます。歯周病の人は、心筋梗塞などの心臓血管疾患を発症するリスクが高いことや、歯周病関連細菌が気管などに入り込んで肺炎を巻き起こす事もあります。特に歯周病の組織から分泌される成分が、血糖値を下げるホルモン(インスリン)の働きを妨げて、糖尿病を悪化させることも明らかになっています。逆に言えば、歯周病が改善されると糖尿病の改善につながるとも言われています。

歯周病と関連のある疾患

・糖尿病   ・心臓血管疾患   ・低体重児出産

・呼吸器系疾患   ・消化器系疾患   ・骨粗しょう症 など

商品について

・GUMアドバンスケアデンタルペースト(歯周病用・歯ブラシにつけて使う歯磨き粉)

・GUMアドバンスケア歯間ケアジェル(歯周病用・歯間ブラシにつけて使うジェル)

歯茎の炎症を引き起こす炎症物質の発生に着目した商品で、抗炎症剤B-GRを配合しています。炎症物質の発生を抑え、歯周病による歯茎の炎症を効果的に防ぎます。

歯茎の細胞に働きかけ、殺菌、抗炎症、血流促進、活性化を促します。

歯周病の患者様で洗口液の他にGUMのこちらの商品がお薦めです。

市戸貴子

2011年11月5日