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「非専門医でも診断義務」 脳梗塞後遺症で賠償命令

 脳梗塞の前兆の発作を医師が見逃し治療を怠った結果、脳梗塞で半身まひなどの後遺症を負ったとして福岡市の70代女性が、救急搬送先の同市の村上華林堂(むらかみかりんどう)病院側に約8千万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、福岡地裁は16日までに440万円の支払いを命じた。

 消化器などの担当医が対応したため、専門外でも脳梗塞を疑う発作と診断する義務があったかが争われ、増田隆久(ますだ・たかひさ)裁判長は「発作は一般的な医学文献に載っており、非専門医でも診断すべきだった」と判断した。

 16日に記者会見した原告代理人の弁護士は「専門外の診断義務について判断基準を示した判決は例がない」としている。判決は3月27日に言い渡され、確定した。

 判決によると、女性は2009年3月、飲食店での支払い時に硬貨を何度も落としたため、店主が脳梗塞を疑って119番通報し搬送されたが、同病院の医師は発作と診断せず、15日後に別の病院で脳梗塞と分かった。

 判決は、発作だと診断していても脳梗塞を完全には防げないとしたが、重篤な後遺症の発生を免れた可能性はあったと認定した。

 病院側は「十分な診療をしたと考えているが、紛争の長期化を避けるため控訴しないことにした」とコメントしている。


2012年4月17日 提供:共同通信社