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8月28日、「平成24年版厚生労働白書」を公表した。
「歯科口腔保健の推進に関する法律」に言及

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■ 「歯科口腔保健の推進に関する法律」に言及
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8月28日、「平成24年版厚生労働白書」を公表した

8月28日、「平成24年版厚生労働白書」を公表した。既に公表されていた「社会保障に関する国民意識調査」(現在の社会一般や社会保障に対する国民の意識や世代ごとの意識の違いなどを検証)の結果を資料に作成されたものである。

特に歯科に関しては第2部「現下の政策課題への対応」の中で、特集として「東日本大震災からの復興に関する厚生労働省の取組み」、「社会保障と税の一体改革に向けた取組み」などのの「安心で質の高い医療・介護サービスの安定的提供」で、「歯の健康」として、以下のように記された。

歯の健康は、食物のそしゃくのほか、食事や会話を楽しむなどの生活の質(QOL)を確保するための基礎となる重要な要素である。一方、う蝕や歯周疾患に代表される歯科疾患は、歯の喪失に繋がり、食生活や社会生活等に支障をきたし、ひいては全身の健康に影響を与えるものとされている。これらのことから、1989(平成元)年から生涯にわたり自分の歯を20本以上保つことにより健全なそしゃく能力を維持し、健やかで楽しい食生活を過ごそうという「8020(ハチマル・ニイマル)運動」を推進しており、各ライフステージに応じた歯の健康づくりの取組みが実施されている。

胎児期では、妊産婦に対する歯科保健指導を通して胎児の歯の発生に関する知識の普及を図り、う蝕の好発時期である乳幼児期では、1歳6か月、3歳児歯科健康診査とともに歯科保健指導を行い、「食べる」機能の確立の支援を図っている。学童期では、う蝕予防対策に加え、乳歯から永久歯へ生えかわるとともに顎骨の成長も含めた口腔の機能の確立を図っている。

成人期では、歯の喪失を予防することを目的とし、市町村を主体として歯周疾患検診、歯周疾患にかかる健康教育や健康相談が実施されている。高齢期では、おいしく、楽しく、安全な食生活を営めるよう、「口腔機能の向上」が介護予防として導入されている。

これらの結果、歯科疾患実態調査によると、20本以上の歯を有する80歳以上の割合は、1987(昭和62)年の7.0%から2005(平成17)年には21.1%へ増加しているが、進行した歯周疾患を有する人の割合は、歯が多く残存するようになったために増加する傾向にあると推測されており、今後成人期以降の歯の健康づくりを更に推進することが求められている。

また、「歯科保健と食育の在り方に関する検討会」において、2009(平成21)年7月に報告書「歯・口の健康と食育〜噛ミング30(カミングサンマル)を目指して〜」が取りまとめられるなど、近年は口腔の健康と全身の健康との関係が注目されている。さらに、2011(平成23)年8月に歯科口腔保健の推進に関する法律が施行されたところであり、口腔の健康が、国民が健康で質の高い生活を営む上で基礎的かつ重要な役割を果たしていることから、より一層歯科保健対策を推進していくことが求められている。

奥村 勝 氏 

オクネット代表。明治大学政経学部卒業後、一般企業に就職。さらに東京歯科技工専門学校を経て歯科医院、歯科技工所に勤務。さらに日本歯科新聞社編集部記者、雑誌「アポロニア」(日本歯科新聞社)編集長、新聞「Dental Today」(医学情報社)編集長を歴任

2012年9月1日