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予防歯科で医療費の抑制、全身の病気も予防できる


「つまようじが不要に」 一生残す自分の歯 予防歯科

「物が挟まらなくなったので、つまようじを使わなくなった。検査を受け出血すると恥ずかしいので、歯磨きを欠かさない」。3カ月に1度、細菌のすみかの歯垢(しこう)や歯石を除去するメンテナンスを受けている山形県酒田市内の女性(63)は話す。担当する歯科衛生士は「毎日、手入れしているか、いないかで、口の中の状態は大きく違う」と話す。

日吉歯科診療所の熊谷崇(くまがい・たかし)理事長は「『年を取ると入れ歯が当たり前』と思っている人が多い。21年以上メンテナンスを受けている場合、失う歯の本数は平均1本」と蓄積したデータを基に効果を語る。

日吉歯科には現在、個室の治療ルームが27。年間延べ約4万3千人の患者のうち約7割がメンテナンスのために来院する。スタッフ50人のうち歯科医師は12人。中心は21人いる歯科衛生士だ。

初診の患者には、歯の左、右、中央について、それぞれ正面、上、下の計9枚の写真を撮影。歯のエックス線写真や唾液検査の結果を総合して、歯を失うリスクを評価し、治療方針を決める。

20歳で虫歯や歯周病にならず、メンテナンスを続ければ、自分の歯で一生、食べられる可能性が高まるという。これを実現するために、力を入れているのが、子供の歯のメンテナンスだ。

同市内の母親(37)は小3の長男が虫歯で歯茎が腫れて来院するようになった。初診の検査の後、「歯にあいた穴に、ばい菌が入るので歯茎が腫れる。歯の穴を埋めましょう」と原因と治療方針の説明を受けた。「食べ残しや寝る前にお菓子を食べる習慣が問題」と注意された。

母親は「長男は自分の虫歯を写真で見せてもらってから、寝る前に鏡を見ながら歯を磨くようになった。親に虫歯があるので、子どもには、永久歯をきれいなまま残してあげたい」と定期的に通うようになった理由を話していた。

2013年9月25日 提供:共同通信社

 

定期掃除で細菌除去 医療費の抑制も期待 予防歯科

虫歯や歯周病になると、歯を失う危険が大きくなる。歯磨きでは落ちにくい歯周病菌は、全身の病気にも関係している。予防歯科によって歯が健康な人が増えれば、医療費抑制も期待できる。

2013年9月25日 提供:共同通信社

 

全身の病気とも関係 予防歯科

35歳以上の日本人の約80%が歯周病にかかっているといわれる。歯を失う原因として歯周病は最多の約42%。近年の研究で、歯周病と肺炎や糖尿病など全身の病気との関係が分かってきている。

歯周病は、アルツハイマー病を悪化させ、動脈硬化や早産などの原因とする研究もある。歯を守ることで、全身の健康状態を良好に保ち、医療費の抑制につながることも期待されている。だが、歯周病治療後に受けるメンテナンスの診療報酬は低く、普及のハードルとなっている。

2013年9月25日 提供:共同通信社