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親知らずは抜かないといけないの? 歯と口の健康アラカルト

 親知らず(親不知)とは奥歯のうち一番奥にある歯で第3大臼歯といいます。「智歯(ちし)」ともよびます。昔の日本人の寿命が短く、親知らずが生えてくるころにはすでに親が亡くなっている、というのが名前の由来だと言われています。親知らずは英語でwisdom toothと言います。wisdomは賢さ、知恵という意味です。つまり物事の分別がつく年齢に生えてくる歯というのが名前の由来です。これを日本語にしたのが智歯ということです。

 親知らずは正常に生えてくることが少なく、歯ぐきや骨の中に埋まったままの場合があります。親知らずは生え方や埋まり方によってさまざまな症状を引き起こすことがあります。一番多い症状として、歯ぐきが腫れ、強い痛みが出て、うみをためたりすることがあります。そうなると口臭がしたり、ひどくなると顔が腫れたり、口が開けられなくなることもあります。また、親知らずと手前の歯の間が虫歯になりやすく、両方の歯が虫歯になってしまうこともあります。生え方によっては手前の歯の根を吸収させてしまうこともあります(放置していると、場合により親知らずと手前の歯の両方を抜歯しなければならいこともあります)。さらに、歯並びやかみ合わせを悪くする原因の一つになります。このため、抜歯した方が良いと考えられていますが、親知らずの抜歯は歯の治療の中でかなり大変な治療です。特に下の親知らずの抜歯は抜いた後、顔が腫れたり、長期間痛みが続くことも少なくありません。もちろん、正常に生えている場合もありますので、すべての親知らずを抜歯する必要はありません。

 抜歯が必要かどうかはレントゲンで確認できますので、奥歯の奥に違和感や痛みを感じる場合は、かかりつけ歯科医院でご相談ください。(大阪府歯科医師会 学術部)

2013年12月4日 提供:毎日新聞社