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歯科医師国試発表合格率:東歯大・断トツTOP堅持 東医歯大・不振
松本歯大・低迷

[歯科医師国試] 26年2月実施歯科医師国試の合格率63.3%、新卒は73.3%

厚生政策情報センター 2014年3月19日(水) 配信

厚生労働省は3月18日に、第107回歯科医師国家試験の合格発表を行った。
試験は、平成26年2月1日および2日に、全国7ヵ所で実施された。
受験者数は3200人(うち新卒者数2241人)、合格者数が2025人(うち新卒者数1642人)で、合格率は全体で63.3%。新卒者の合格率は73.3%であった(p1参照)。
合格者の男女比は、男性59.0%(1194人)、女性41.0%(831人)で、合格率は男性59.8%、女性69.1%となった(p22参照)。
資料には卒業年次別受験者数・合格者数・合格率(p23参照)、学校別合格状況(p25参照)などが掲載されている。

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歯科医師国試発表合格率:東歯大・断トツTOP堅持 東医歯大・不振
松本歯大・低迷

第107回歯科医師国家試験の合格発表が3月18日、厚労省講堂・インターネットにて発表。
全体:63.3%、新卒者:73.3% であり、昨年より厳しい数字というより、過去10年で最も厳しい合格率であり、難しい試験であったと言える。ちなみに医師国家試験は、全体:90.6%、新卒者:93.9%。例年通り90%前後を推移している。大学別を見ると、近年著しい結果を出している全体で東京歯科大学は全体:94.5%、新卒95.1% となり今回もトップを維持すると同時に、他の追随を許さない断トツの数字を示した。

近年の成績に疑問を呈する意見もあったが完全払拭。井出学長以下、教員・学生、さらに学内外で一致しての体制が構築されている結果とも言える。教授の一人は「大学としてすることは、他の大学と相違はないと思う。ただ、全体で取り組んでいるかどうか。この点の違いではないではないかと思う」と述べている。平成28年には、都内水道橋に大学研究施設(病院以外)が戻る体制になるとされている東歯大。歯系議員として白須賀貴樹・衆院議員。島村大・参院議員を輩出しその活動にも期待が寄せられている中で、大学の勢いはまだ続きそうだ。

一方、阪大と並び国立大学の雄とされてきた東医歯大歯学部は全体:70.4%、新卒78.3%と予想外の不振であり、国公立大学の全体・新卒とも徳島大学歯学部についで下位から2番目。4月からは大山喬史学長(歯科医師)に代わり吉澤靖之新学長(医師)の下での体制がスタートするが、「大山先生を最後に二度と歯科医師の学長が出てこない。今後に向けて歯科は本当に頑張らないと学内での評価として厳しい見方をされる」(某教授)とされて、歯学部としても新たなスタートを切らざるを得ないが、最近の同大の低迷感は否めないのも事実。某病院歯学部長を務め

る東医歯大歯学部OBは「外の人間が云々してのしょうがないが、中にいる人で頑張ってほしいとしか言いようがない」と冷静に見ている。

参考までに、東医歯大医学部は、全体:97.8%、新卒者:98.8%。全体での合格率は、国公立51校の中で、筑波大学、防衛医大、浜松医大、福島県立医大についで5位という数字を出している。

東歯大・東医歯大関係者に電話取材をしたところ、次のようなコメントをいただいたので紹介する。東歯大OBから「今年もトップですか。でも後輩たちは頑張っているのを聞くと先輩として頑張らなくてはね。特別な感想はないが嬉しいことは事実」(東京都開業)、「井出学長は、また張り切るのではないですか。もう学内では天皇ではないですか」(千葉県開業)、「一時は批判を浴びた学長ですが、結果を出しているので父兄からの評判が良くなるかね。井出先生様々かもしれない」(神奈川県開業)。

東医歯大OBからは「大山学長が心配していたことが、数字に出てきたね。まあ国立は、私立と違い国試対策はしていないという面もあるが、今回はひどいね」(埼玉県開業)、「ある程度予想はしていたので驚かないけど残念。最近の学内の様子を聞いてみると、レベルが落ちていることは想像できる。医科歯科のブランドは低下の一途だね。危機感が希薄なのは事実」(東京都開業)。

全体に合格率は低かった国家試験であった。数字からは、東歯大と昭和大学歯学部の奮闘ぶりが目立ったが、一方で下位校の顔ぶれには大きな変化なかったが、下位3校の不合格者数を、岩手医科大学歯学部⇒受験者数96名・合格者46名、奥羽大学歯学部⇒受験者数150名・合格者45名、松本歯科大学⇒受験者数157名・合格者37名を含め、3200名の受験者・合格者2241名の通り、約1000名(約医師800名)の不合格者を出すことも問題だとの指摘も出てきそうだ。
なお、大学別合格率は以下の通り。

【大学別全体合格率順位=大学:全体合格率(新卒合格率)】
東京歯科大学:94.5%(95.1%)、岡山大学歯学部:86.6%(92.9%)、
九州大学歯学部:84.4%(90.4%)、鹿児島大学歯学部:82.0%(90.0%)、
大阪大学歯学部:82.0%(88.9%)、広島大学歯学部:80.6%(84.5%)、
東北大学歯学部:78.9%(87.8%)、新潟大学歯学部:77.3%(89.2%)、
北海道大学歯学部:76.4%(85.0%)、長崎大学歯学部:77.9%(79,2%)、
昭和大学歯学部:75.7%(78.3%)、九州歯科大学:75.2%(82,7%)、
東京医科歯科大学歯学部:70.4%(78.3%)、愛知学院大学歯学部:69.3(70.8%)、
明海大学歯学部:68.9%(84.1%)、日本歯科大学生命歯学部:67.8%(67.8%)、
日本大学松戸歯学部:65.4%(872.3)、北海道医療大学歯学部:65.1%(77.0%)、
大阪歯科大学:63.3%(75.5%)、徳島大学歯学部:59.0%(66.7%)、
福岡歯科大学:59.3%(56.5%)、神奈川歯科大学歯学部:58.7%(62.0%)、
日本歯科大学新潟生命歯学部:58.1%(65.3%)、朝日大学歯学部:55.4%(78.2%)、
日本大学歯学部:53.3%(62.2%)、鶴見大学歯学部:49.4%(58.2%)、
岩手医科大学歯学部:47.9%(66.7%)、奥羽大学歯学部:30.0%(33.0%)、
松本歯科大学:23.6%(35.1%)、
※認定及び予備試験:33.3%(0.00%)

奥村 勝 氏

2014年3月19日 提供:NPO法人 歯科医療情報推進機構