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日歯、選択療養制度に反対?医療の安全性確保を危惧

■日歯、選択療養制度に反対?
医療の安全性確保を危惧

規制改革会議は3月27日付で「選択療養制度(仮称)の創設について(論点整理)」を示した。この論点整理では、保険外診療を併用しても保険給付を幅広く受けられ、保険診療に係る経済的負担が治療の妨げにならない環境を急速に整備する必要があるとの観点より、治療に対する患者の主体的な選択権と医師の裁量権を尊重し、困難な病気と闘う患者が治療の選択肢を拡大できるようにすること、そのため、一定の手続き・ルールの枠内で、患者が選択した治療については極めて短期間に保険外併用療養費の支給が受けられる、患者(国民)にとって優しい新たな仕組みを構築することを目的に掲げ、現行制度の抜本的見直しを提案した。
これに対して日歯は4月11日、「選択療養制度」(仮称)に対して、明確に反対する見解を発表。見解では、「選択療養による公的医療保険の充実」という責務を、国がどのように果たすのかが明確でないとした上で、医療の安全性・有効性の確保の視点で危険性を指摘した。
安全性の確保については、改革案の目的に「医療において患者の主体的な選択権と医師の裁量権を尊重する」とあるが、保険収載されていない医療・薬剤は安全性・有効性が客観的に確保されていないものが多く、それを医師と患者の関係にのみ任せられることの結果は極めて危険なものと断じざるを得ないとした。
また、医療の現場における最大の課題は「医療行為が人体に必ず侵襲的に作用すること」と指摘するとともに、医療はその安全性と有効性が確保されて初めて提供されるものであるということの重大性を理解した上で提案することを切望するとした。

2014年4月21日 提供:日本歯科医師会