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犬歯 異常が隣の歯根に影響


そう、犬歯がしっかり縦になっていないで斜めに横になって居ることがあり、開窓オペで牽引して正しい歯槽部に誘導しなければならないので、およそ幼児期5歳くらいからの咬合誘導をスタートさせないと変形が大きく、矯正の手間が増えます。早めのスタートだとAから一直線でBに行けるのに、放置していると、AからCになってから、CからBに矯正するので、二直線になるのです。三角の一辺は二辺より小さいということです。


犬歯 異常が隣の歯根に影響

 上あごの犬歯が正常に生えないことが原因で、隣の前歯が歯根がなくなったり、抜けたりするケースがあることが、日本臨床矯正歯科医会の調査で明らかになった。現代人のあごが小さくなったことで、歯が生えるスペースが狭くなり、歯同士が異常に近接する場合があるためだ。同会は「小学校低学年ごろにエックス線診断をしてほしい」と呼びかけている。

●10、11歳が最多

 同会が3月、発表した。会員の矯正歯科医約400人のうち30人から、8〜26歳の患者のエックス線写真を診療時期を限らず集め、犬歯の異常が前歯に影響した症例110件を分析した。上あごの犬歯が本来生える10〜12歳ごろを過ぎても生えなかったり、傾いて生えたりしており、その結果、上の前歯の歯根がなくなったり、なくなりかけたりしていたという。こうした症例は、女性が男性の1・9倍に上り、男女とも10、11歳が最多だった。

 なぜ、犬歯の異常が歯根に影響するのか。

 同会学術担当理事の稲毛滋自(しげより)矯正歯科医師は、歯の中の「破歯(はし)細胞」の作用を指摘する。この細胞は、歯の表面に張り付いて、酸を出して歯を溶かし、乳歯が抜けやすくなるよう助ける働きがある。しかし、犬歯が正常に生えず歯茎に埋まったりしたままだと、歯茎内で細胞が隣の歯根に密着し、溶かしてしまうという。

●早めの矯正治療を

 食生活の変化などに伴い、現代人は縄文人に比べてあごが小さいが、歯は大きくなった。このため、歯茎に歯が生える十分なスペースがなくなり、犬歯が生えなかったり、歯並びがデコボコになる「乱ぐい歯」などになったりする異常が起きるという。厚生労働省の歯科疾患調査では、12歳以上20歳未満で乱ぐい歯があるのは、2005年は約40%だったが11年は約44%に増加。上あごの犬歯が傾いて生えたり、歯茎に埋まったまま生えなかったりした異常な症例は、これまでの調査でも報告があったという。

 犬歯の傾き程度と位置は、エックス線写真や触診で確認することができ、早めの矯正治療で歯根への影響を軽減することが可能だという。ただし、矯正治療の大半は自由診療のため、治療費は自費の場合が多い。稲毛医師は「将来のリスクを見抜くため、小学校低学年ごろに口の中全体が写るパノラマエックス線写真を撮ることが有効」と話している。【山崎明子】

2014年4月27日 提供:毎日新聞社