減量 ゆっくり食事に効果 かむほどカロリー消費
東工大教授ら「年に脂肪1.5キロ分」


減量 ゆっくり食事に効果 かむほどカロリー消費 東工大教授ら「年に脂肪1.5キロ分」

 同じ食事をしても、ゆっくり食べた方が食後にエネルギーを多く消費し、ダイエット効果が高いことが分かったとの論文を、林直亨(なおゆき)・東京工業大教授(応用健康科学)らの研究グループが欧州の肥満学会誌に発表した。早食いは過食につながるため太りやすいと考えられているが、同じ量でも食べるペースで違いが出ることが裏付けられたとしている。【清水健二】

 平均25歳の男性10人に300キロカロリーの栄養調整食品を食べてもらい、食前20分から食後90分までの酸素摂取量を測ってエネルギー消費を算出した。

 できるだけ早く食べた場合(完食まで平均1分43秒)、消化・吸収活動に伴うエネルギー消費量は平均0・4キロカロリーだったのに対し、できるだけゆっくり食べた場合(同8分17秒)は同10キロカロリーと大差があった。1年間の食事に換算すると、脂肪1・5キロに相当する1万1000キロカロリーの差になるという。

 研究グループは2008年、かむ動作をするだけで消化管の血流量が増えるとの研究結果を発表している。今回、早食いの時のかむ回数は平均137回、ゆっくりだと平均702回だった。

 かむ回数が多いほど、口の動きが刺激となって体内の消化・吸収活動が活発化し、消費エネルギーが増える仕組みがあると推測できるという。

 林教授は「かまずにのみ込む方が胃腸が一生懸命働くイメージもあるが、実際は逆。ダイエットのプログラムを組む際には、食事にかける時間も考慮に入れるといいのでは」と話す。

引用:毎日新聞社 2014年5月19日(月)

2014年6月5日更新