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社会情勢レポート記事区切り

インフル情報:インフル、北関東を中心に流行 全国で140万受診

インフル流行、全国で140万受診【感染症情報:近畿】
福井、流行性耳下腺炎とヘルパンギーナ多め


 国立感染症研究所は2月1日、感染症発生動向調査週報(IDWR)第3号を発表した。2013年第3週(1月14日-1月20日)の発生報告を1月23日に集計している。

 インフルエンザの定点当たり報告数は全都道府県で増えている。全国平均は前週の12.07からほぼ2倍の22.58に増えた。定点の合計患者数は11万1475人。この数に基づいて、定点以外の医療機関も含めると、1週間で140万人が受診したと推計している。

 年齢別に見ると、成人が55.0%と半数以上を占め、14歳以下の小児も増加傾向にある。最も多い年齢層は5-9歳(約20万人、14.3%)、次いで30代(約19万人、13.6%)となっている。

 都道府県別での定点当たり報告数は、多い順に福島県(38.63)、茨城県(36.18)、群馬県(35.66)、長崎県(34.50)、千葉県(34.17)、福岡県(32.92)、埼玉県(32.13)、栃木県(32.08)、佐賀県(31.45)となっている。

 発生動向総覧から、近畿(福井県、滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県:近畿厚生局の管轄区域)に関する報告を抽出する。かっこ内の数字は定点当たりの報告数を示す。

【福井県】
流行性耳下腺炎(0.73/全国0.23)およびヘルパンギーナ(0.09/全国0.02)の報告数が全国で3番目に多い。

【滋賀県】
アメーバ赤痢1人を報告している。

【京都府】
腸管出血性大腸菌感染症1人を報告している。

【大阪府】
風疹2人、レジオネラ症1人を報告している。

【兵庫県】
特に報告なし。

【奈良県】
特に報告なし。

【和歌山県】
特に報告なし。

インフル、北関東を中心に流行【感染症情報:関東信越】
東京、埼玉、神奈川で風疹の報告数が多め


 国立感染症研究所は2月1日、感染症発生動向調査週報(IDWR)第3号を発表した。2013年第3週(1月14日-1月20日)の発生報告を1月23日に集計している。

 インフルエンザの定点当たり報告数は全都道府県で増えている。全国平均は前週の12.07からほぼ2倍の22.58に増えた。定点の合計患者数は11万1475人。この数に基づいて、定点以外の医療機関も含めると、1週間で140万人が受診したと推計している。
 年齢別に見ると、成人が55.0%と半数以上を占め、14歳以下の小児も増加傾向にある。最も多い年齢層は5-9歳(約20万人、14.3%)、次いで30代(約19万人、13.6%)となっている。

 都道府県別での定点当たり報告数は、多い順に福島県(38.63)、茨城県(36.18)、群馬県(35.66)、長崎県(34.50)、千葉県(34.17)、福岡県(32.92)、埼玉県(32.13)、栃木県(32.08)、佐賀県(31.45)となっている。

 発生動向総覧から、関東信越(茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、新潟県、山梨県、長野県)に関する報告を抽出する。かっこ内の数字は定点当たりの報告数を示す。

【茨城県】
前週に引き続き、インフルエンザの報告数が全国で2番目に多い(36.18/全国22.58)。アメーバ赤痢1人、レジオネラ症1人を報告している。

【栃木県】
インフルエンザの報告数が全国で8番目に多い(21.80/全国12.07)。レジオネラ症1人を報告している。

【群馬県】
しばらくインフルエンザの報告数が全国で最も多い状態が続いていたが、今週は3番目に下がった。ただし報告数自体は増えている(35.66/全国22.58)。

【埼玉県】
インフルエンザの報告数が全国で7番目に多い(32.13/全国22.58)。風疹5人、麻疹1人を報告している。

【千葉県】
インフルエンザの報告数は、前週は全国で3番目に多かったが、今週は5番目になった。報告数自体は増えている(34.17/全国22.58)。腸管出血性大腸菌感染症1人、アメーバ赤痢1人、麻疹1人を報告している。

【東京都】
風疹の報告数が全国で最も多く、今週は14人と報告している。また、アメーバ赤痢2人、レジオネラ症1人、麻疹1人を報告している。

【神奈川県】
風疹3人、麻疹1人を報告している。

【新潟県】
特に報告なし。

【山梨県】
特に報告なし。

【長野県】
特に報告なし。


2013年2月4日 提供:国立感染症研究所

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神奈川・相模原南病院でインフルエンザ集団感染
47人が発症、81歳女性患者1人死亡

インフルエンザ:相模原南病院で集団感染 47人が発症、
81歳女性患者1人死亡 /神奈川

 相模原市南区大野台の医療法人直源会・相模原南病院は31日、インフルエンザA型の集団感染で47人が発症し、うち女性入院患者(81)=横須賀市=が30日に急性呼吸不全で死亡したと発表した。

 相模原市役所で記者会見した鈴木知亜樹院長によると、1月9日に認知症病棟3階に入院中の男性(55)が発症し、15日時点で発症者は入院患者11人、職員2人となった。別の病棟にも感染が広がり、31日までの発症者は55〜99歳の入院患者38人と看護師や作業療法士ら職員9人の計47人に膨らんだ。

 うち酸素吸入などを要する重症者は2人。81歳の女性入院患者は24日に熱発し、翌日にウイルスが検出されたため治療薬タミフルを服用したが、27日に39度の高熱を発し点滴治療を受けたものの死亡した。もう1人重症の96歳女性を含め、発症者のほとんどは回復しており、感染も鎮静化しているという。

 感染経路は分かっていないが、鈴木院長は「極力、発症拡大を避けたつもりだが、結果的に死者を出してしまった。どこかでやるべきことをやっていなかったということで非常に反省している。患者と家族に深くおわびする」と述べた。

 相模原保健所は15日に病院から報告を受け、現地調査して感染拡大防止を指導し、医師らからの聞き取りを進めてきた。会見に同席した小竹久平・同保健所長は「今のところ、病院側の対応に欠点はないと思っている」と語った。【高橋和夫】


2013年2月1日 提供:毎日新聞社

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インフルエンザ大流行 横浜の病院、
患者3人死亡 高齢者、高まるリスク

インフルエンザ:大流行 横浜の病院、患者3人死亡 高齢者、高まるリスク

 横浜市鶴見区の汐田(うしおだ)総合病院(261床)で発生したインフルエンザの集団感染は入院患者13人、職員2人の計15人に及び、うち70〜80代の男性患者3人が死亡していた。同病院が2日午後に開いた記者会見で発表した。国立感染症研究所は1日、インフルエンザの大流行を意味する「警報」レベルに達したと発表したばかり。病院側は「同様の事態発生が憂慮され、医療機関と住民に注意を喚起したい」とコメントした。【一條優太、宗岡敬介】

 病院によると、死亡した患者は70代1人と80代2人。3人は1月29日に発熱、呼吸不全などの症状が出た後、簡易検査でインフルエンザA型のウイルスが確認された。30日午後から31日朝にかけて肺炎で亡くなった。

 3人はもともと呼吸器系の疾患で寝たきり状態だった。病院は体調面などを考慮し、予防接種を行っていなかった。窪倉孝道院長は会見で「残念で申し訳ない」と謝罪し「3人は抵抗力や回復力が乏しかったが、インフルエンザが悪影響を及ぼしたことは否定できない」と説明した。

 感染した入院患者13人は70代が5人、80代が8人。寝たきり状態の患者が多い5階の障害者病棟に入院していた。感染した職員2人はいずれも30代の女性看護師と男性ヘルパーで、この病棟で勤務していた。亡くなった3人以外に重症者はおらず、2人は2日までに陰性となったという。

 院内では1月29日に2人、30日に5人の感染が確認されたため、病院は31日、管轄の横浜市鶴見福祉保健センターに集団感染を報告。感染者と接触があった患者に予防のため抗インフルエンザ剤を投与し、外出を禁止するなどの対策を取った。しかし同31日に1人、2月1日に3人、同2日に4人の感染が確認され、拡大した。

 同センターは1月31日と2月1日、病院への立ち入り検査を実施。会見に同席した市の担当者は「感染予防の対策はしっかり行われていた」と述べたが、窪倉院長は面会制限をしていなかったことに触れ「患者には家族の励ましも必要と考えたが、一定の制限があってもよかったと思う」と話した。

 同病院は1953年に診療所として開設。現在約200人が入院している。横浜市は1月31日にインフルエンザの流行警報を発令し、1月21〜27日の1定点医療機関当たりの患者報告数は41・80人だった。

 ◇日本感染症学会提言 院内感染対策に予防投薬

 国立感染症研究所の推計では、1月21〜27日の1週間だけで全国の医療機関を受診したインフルエンザ患者は約214万人。3週連続で、全都道府県で前の週より報告数が増えた。この週、全国約5000の定点医療機関から報告された患者数は1機関あたり36・44人と、警報レベルの目安となる「30人」を超えた。流行はピークを脱していないとみられ引き続き警戒が必要だ。

 感染研によると、インフルエンザ患者は一般的に、抗体を持たない未成年の割合が大きいが、呼吸器などに持病がある高齢者が感染すると重症化しやすい。とりわけ、不特定多数の人が出入りする病院や高齢者施設は集団感染のリスクが高く、日本感染症学会は提言で「院内感染を予防するためには、抗インフルエンザ薬の予防投与が最も重要」と指摘。国内で予防投与が認められている2種類の薬を、▽インフルエンザ患者が一つの病室内にとどまる場合は同室の他の患者▽複数の病室にまたがる場合は病棟やフロア全体▽高齢者施設の場合は、簡易検査で1人でも感染が疑われた時点でフロア全体――への投与を検討することを勧めている。

 今シーズン流行しているウイルスは昨シーズン同様「A香港型」が主流。通常、感染から1〜4日間の潜伏期間を経て、38度以上の高熱や頭痛、筋肉痛などが急に表れ、鼻水やせきなどの呼吸器症状も出る。インフルエンザは、くしゃみやせき、会話の際に口から出る飛沫(ひまつ)などでうつる。こまめな手洗いのほか、せきが出る場合は口元をマスクで覆うなどの「せきエチケット」が、何よりの感染拡大防止策になる。【阿部周一】


2013年2月3日 提供:毎日新聞社

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神奈川県がインフルエンザ流行警報発令

神奈川県がインフルエンザ流行警報発令

インフルエンザ:県が流行警報発令 /神奈川

 県は31日、インフルエンザの流行警報を発令した。1月21〜27日の定点医療機関当たりの患者報告数は41・69人で、警報の指標である30人を超えた。発令時期はほぼ平年並み。

 学校でも流行し、21〜27日の週に県内で271学級が新たに学級閉鎖となった。県はこれからが流行のピークとみており、手洗いやうがい徹底、マスク着用を呼びかけている。

 横浜市も31日、流行警報を発令した。21〜27日の定点医療機関あたり患者報告数が41・80人となった。A香港型が主流で、警報発令は昨季と同時期。年齢別では4〜6歳を中心に子どもの感染が多い。21〜27日に小学校33、幼稚園14、中学校10、高校3の学級閉鎖があった。川崎市も29日に警報を発令した。【北川仁士、松倉佑輔】


2013年2月1日 提供:毎日新聞社

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インフルエンザがピーク、大人の患者が半数

人混みに入る、通勤、通学などには、N100マスクの着用が効果的です。WFではショウガ成分の抗ウイールス効果で、診療前にジンジャーシロップでのウガイで予防効果をあげています。

 厚生労働省は1日、この冬のインフルエンザの流行が最盛期に入ったと発表した。
 1月21-27日の週に全国約5000の医療機関から報告された患者数は、前週の1医療機関あたり22・58人から36・44人、推定患者は前週の約1・5倍の約214万人になった。

 同省によると、今季の患者数や流行の規模は平年並みで、小中学校など5107施設で学級閉鎖などが出ているという。ウイルスは昨季に続いてA香港型が最も多く検出されている。

 都道府県別の患者数は、新潟53・81人、千葉53・22人、長崎50・91人など。今季の流行は北関東から始まり、関東、中部、九州に拡大。近畿、中国はこれからさらに患者が増えるとみられ、特に注意が必要だ。

 国立感染症研究所の安井良則主任研究官は「20歳以上が半数を占め、大人の患者が多いのが今季の特徴。高齢者の入院も多い」と分析し、「手洗いやマスク着用の徹底のほか、家族で同じタオルを使わないといった工夫も効果的だ」と話している。


2013年2月2日 提供:読売新聞

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「iPS細胞」

 話題の「iPS細胞」で、2012年のノーベル生理学・医学賞を京都大学の山中伸弥教授が受賞しました。受賞理由は「成熟した細胞を、多様性をもつ状態に初期化できることの発見」でした。専門家が生物学の常識を覆すと称え、ノーベル賞の選考委員らは私たちの理解に革命を起こしたと評しました。

 iPS細胞とは、人工多能性細胞(induced pluripotent stem cell)の略で、人間の皮膚などの体細胞に極小数の遺伝子を導入して、数週間培養すると臓器の細胞に分化する能力と、ほぼ無限に増殖する多能性幹細胞に変化する細胞です。

 生命の源である受精卵が分裂を始め、皮膚や神経、心臓などに成熟していき、成熟した後は後戻りしないと生物学で教わりましたが、この常識が大きく揺らぎ始めたのが初期化の発見でした。

 初期化とは細胞の過去をいったん消去して、様々な細胞に育つ受精卵のような状態に戻す操作です。同時受賞した英国のジョン・ガードン博士が1962年にオタマジャクシの腸の細胞から核を取り出して、核を除いたカエルの未受精卵に移植した研究が可能性を開きました。いったん腸にまで育った細胞の核でも初期化し、卵をかえすとカエルのクローンができました。1996年に英国で体の細胞の核を卵子に移植すると初期化し、哺乳類初のクローン羊のドリーが誕生したことは有名です。

 人の細胞には約20200個の遺伝子が備わっていますが、働く順番や時期が決まっていて、時間経過により細胞の状態が変化します。一つの受精卵が組織のもとになる細胞(幹細胞)などに分かれますが、このころは万能性や多能性が備わっています。皮膚や神経、心臓などに行き着いた後は、増殖や老化はしても別の組織や臓器には変化しません。

 2006年京都で開かれた国際学会で山中教授が、マウスの皮膚からとった細胞に4種類の遺伝子を入れたら、あらゆる細胞に成長する能力を持ったと発表し、その後、新種の細胞を心臓や肝臓細胞に育てた研究論文が米科学誌セルに掲載され、大ニュースとして世界を駆けめぐり、2007年には人の皮膚でも成功しました。

 初期化にかかわる遺伝子は「山中4因子」と呼ばれる「OCT3/4」「SOX2」「K1f4」「c-myc」の4種類です。この4種類の遺伝子を使って、受精卵直後に働いていた遺伝子を呼び覚ますと、遺伝子の封印が解け、大人の細胞が受精卵のような状態のiPS細胞に変化します。

 iPS細胞は病気の原因解明や新しい薬の開発、細胞移植治療などの再生医療への活用が期待されています。



2013年2月5日

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高齢化:ヨーロッパの模索高齢化、日本以上の危機感

「75歳定年」構想の衝撃 高齢化、日本以上の危機感 
「揺らぐ社会保障―欧州の模索」「年金」


進む高齢化、逼迫(ひっぱく)する財政。社会保障制度改革の国民会議が再始動した日本と同様の課題に直面する欧州が、伝統ある社会保障にメスを入れようとしている。欧州債務危機が続く中、何を維持し、何を変えるか。模索する各国の姿を追った。

   ×   ×   

 「70歳、75歳の人がもっと働くように心理的な変化が必要だ」

 昨年2月、スウェーデンのラインフェルト首相は地元紙に、現在67歳の定年を75歳に引き上げることも視野に入れると表明、世界を驚かせた。

 欧州各国は高齢化に備え、増大が見込まれる年金の抑制策づくりを急いでいる。支給開始年齢の70歳代引き上げや、私的年金への自動加入などで、早い段階から将来への備えに着手。高齢化世界一の日本よりも危機感は強い。

 スウェーデンの場合、全人口に占める65歳以上の割合(2011年)は18・8%と、日本の23・3%に比べればまだ低い。08年の世界金融危機後、順調に経済は回復しており、11年の実質経済成長率は3・7%。それでも、年金を所管するクリスターソン社会保障担当相は「決定するまでには時間がかかる。だから今から努力しないといけない」と、先手を打つ必要性を訴える。

 政府は有識者委員会で具体的な検討を進めており、クリスターソン氏は「2年以内に何らかの決定を下したい」と話す。

 ▽平均寿命と連動

 支給開始年齢で画期的ともいえる仕組みを導入したのが、同じ北欧のデンマーク。

 平均寿命の伸びに合わせて支給開始年齢を自動的に引き上げることを06年に決めた。22年までに67歳へ引き上げた後、30年からこの自動引き上げを実施する。60年には年金は73歳からの支給になる見通しだ。

 国民に不人気な政策を客観的な指標をもとに実行できるよう路線を敷いたといえ、経済協力開発機構(OECD)は「効果的で透明性の高い方法」と評価する。

 06年当時、担当の社会問題相だったエバ・ケア・ハンセン国会議員は「議論に3年かけ、経済の維持のためには必要だということを多くの国民、政党が理解した。だいぶ先の話だからこそ、反発を招かずに済んだという面もある」と明かす。

 ▽自助努力

 OECDがもう一つ注目するのが、私的年金への自動加入という試みだ。昨年10月に制度を導入した英国では、全雇用主を対象に年収8105ポンド(約110万円)以上の従業員を全員、18年までに企業年金などの私的年金に加入させるよう義務付けた。保険料は最終的には原則、本人が給与の4%、雇用主が3%、政府が1%を負担する。

 日本では私的年金への加入は任意だが、英国は脱退の自由を認めた上でいったん全員加入させ、加入率を上げる手法を取った。公的年金だけで老後を支えようとすると、国の財政負担が重くなるため、自助努力を促そうという狙いだ。OECDは他国も追随する可能性が高いとみている。(ロンドン共同=市川亨)


2013年1月29日 提供:共同通信社

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スーパー指導術の極意は2)分断より融合、威張るより謙虚に

分断より融合、威張るより謙虚に-
岩田健太郎・神戸大学感染治療学分野教授に聞く◆Vol.2

物分かりの悪い患者を診る医師になる

『スーパー指導術』 岩田健太郎氏に聞く

2013年に向けた言葉として岩田健太郎氏は「Dilemmaに耐えよ!」と記した。

――ご自身のキャリア形成について教えてください。研修先を医局の外に求め、米国、中国と渡り歩き、亀田総合病院、現在の神戸大学に至っています。

僕は子どもの頃から、「分断」よりも「融合」を好む傾向がありました。例えば、理系と文系、男性と女性のような分け方ではなく、「分断するのではなく統合する」「違いを見るのではなくて同一性を見る」というところに、直感的に興味を持っていたのです。

大人になってからこの直感を整理すると、世の中に根本的な違いなどはなく、ただ、「視点が違う」と考えていたのだと思います。例えば、あるお店の料理が美味しいか普通かの評価は、食べた人の見方の問題で、絶対的な違いではない。数字は客観的な違いと受け取られがちですが、内閣支持率が65%あるとして、この数字が高いか低いかは、主観です。さらに内閣支持率が60%になったとして、これを「支持率が低くなった」「支持率に大した変化はない」と考えるのも主観のなせる技と言えるでしょう。西欧諸国の人たちから見れば、日本人と中国人と韓国人の違いなんて、「それほど大した差はない」「一緒みたいなものだ」と感じる人がほとんどでしょう。

私は島根県松江市に3つある進学校の1つに通っていたのですが、あの頃はまさに受験戦争と呼べるほど偏差値至上主義で、「今回の模試の平均点は市内の他校より良かった」「今回は他校より悪かった」とやっているのを見て、僕ははっきり言って「くだらないな、バカじゃないかこの人たちは」とずっと思っていました。「人口10万人程度の田舎町で平均点を競い合って何になるのか」と。その頃から細かいことを気にすることが卑しいことであるかのように思っていました。そういう細かな違いを執拗に気にする人は、怒りや劣等感、劣等感の裏返しの優越感などを内包させていることが多い。この種の卑しさはさまざまな場所にあふれていて、医療界でもありとあらゆる場面にあって、出身大学の偏差値、開業医と勤務医、博士号の有無など、そういうどうでもいいことで「ああだこうだ」と言っているんです。

理系とか文系とか、そういう区別がおかしいなと思っていて、ここからは僕自身がバカだったというか「若気の至り」なのですけれど、当時、自然科学も社会科学も両方勉強できるのは医学部だと思い、それで医師の道を志しました。医師という職業に憧れは全くなく、ただ学問がしたいとの理由だけで、当初は基礎医学者になりたいとずっと思っていました。臨床医になるつもりなど、全くありませんでした。それでも医学部に入ってエイズの患者さんと出会って、そのサークルに入るなどしているうちに「ヒューマンなものも大事だ」と感じる萌芽を得たりしましたが、それでも基礎医学者になろうと思い、基礎医学者になるためにできるだけ短時間で臨床医学を学ぶことを考えて、それならばできるだけ厳しく教えてくれるところということで、沖縄県立中部病院を研修先に選びました。おそらく、中部病院史上、最も動機が不純な研修医だったのではないでしょうか(笑)。

今思えば当然ですが、中部病院は思った以上に研修がしんどくて大変でした。とうとう「これ以上は耐えられない」と思っていた時に、米国の臨床留学プログラムがあることを知って渡米することに決めました。「米国の最新医学を学ぶ」だったり、「日本の医学はこのままでは駄目だ」だったりと、ポジティブかネガティブかいずれかの強烈なモチベーションに後押しされて渡米する若い医師がほとんどの中で、「とりあえず、ここにいたくないから米国だろうがどこでもいいから逃げ出したい」という気持ちで米国留学を決めた医師もまた、少ないのではないでしょうか。本当に若気の至りでした。

米国をグローバルスタンダードと見てどっぷりと米国に浸かり、米国に対してものすごい大きな愛情か、その裏返しの大きな憎悪を抱く研修医がほとんどの中で、私は「米国は世界の異端児だ」と斜めに見て、米国の医療に接してきました。今でも世界の異端児だと思っていますよ、米国は。それでも5年、「米国とその他の国」というような区別をすることなく、米国の医療のいいところも悪いところも理解しながら感染症を学んできました。学生の時から、「世界のどこにいっても通用する人間になりたい」との思いが強かったため、感染症は先進国でも途上国でも、都会でも田舎でも役に立つ分野で、老いも若きも男も女も感染症になります。内科系、外科系、メジャー、マイナー、関係ありません。そういう「横の広がり」があるんです、感染症には。また、小さいところではウイルス学、分子生物学みたいなのから、大きなところでは公衆衛生、哲学、倫理学、政治にまで感染症は関与する。そういう「縦の広がり」もあります。感染症屋はある意味、ジェネラリスト以上にジェネラルな視点が必要です。こういうのが、まさに私が興味を持つ融合に合致する分野だったのです。

米国は世界の異端児
良し悪しを理解しながら学んだ


――日本に戻ってからはどうでしたか。

当初、日本の医療は楽しそうではなく、「帰りたくないな」という思いが強かった。現場の医師からは不平不満しか聞こえてこないし、労働環境もよくなく、つらい上に楽しくなさそうという印象だった。そんな中でたまたま亀田総合病院からお声がけいただいたのですが、亀田は例外で、楽しそうないい病院の雰囲気があったので帰国することに決めました。

――指導医としての哲学、感染症への情熱などをお聞きすると、医学生時代の医師や医療に対する考え方とかなり落差があると思います。何か考え方が変わるきっかけなどがあったのですか。

行き詰まったのです、「これじゃあ駄目だ」と。基礎医学者になろうと思っていたけれど、ズルズルと臨床をやっていて、米国で臨床をやっていると、「自分は米国の最先端で臨床をやっている」、「自分はこれだけ立派なんだ」というゆがんだ自負心が湧いていた時期があったのです。しかし、時の経過と経験の積み重ねとともに、そういうものが全く役に立たないという気づきに至りました。よく考えれば、米国にいることで医師として特別なことができるわけではないのです。それはただのおごりだったため、行き詰まったのです。そのときは人間関係もうまくいかなくなりました。

米国では肩肘張って生き馬の目を射抜く覚悟でやっていて、さまざまな議論に参加して、米国人の真似事で一生懸命になって議論の中で主義主張をしたものです。それが米国的であると信じて。でも、そんなもの、全くアメリカ的でも何でもない。米国人だろうが日本人だろうが、本当に頭のいい奴は、そういう僕らみたいな凡人がゴチャゴチャ議論していると、後ろで黙って議論に加わらず聞いていて、一番大事なところを最後にズバっと言って去っていく感じなのですよ。

行き詰って、患者を救うとはどういうことなのかも分からなくなった。例えば、生存率が5年上がったとして、それが何になるのか。患者はもっといろんなことに悩んでいて、お金に困っている患者に医者がお金を貸すわけにもいかないし、孤独に悩む患者の友だちになってあげることもできない。同じようにパートナーを失った人、仕事を失った人など、医療なんて、人の悩みのほんの一部でしかない。ですから、実は医者ができることはほんの少しのことで、そういう己の無力さを認識し、謙虚にならないといけないと思ったのです。

――謙虚になったことで、きちんとした哲学が芽生えたと。

「きちんとした哲学」というのもよく分かりませんが、医師って、威張りすぎなのです。自分たちのお陰で世間が成り立っていると考えがちですが、24時間、医療や病気のことばかり考えている人というのは少ないですし、もしそういう人がいるとしたら、それはそれで不健全ですよ。そういう「病気のことばかり考えている」患者さんはどことなく不幸な顔をしています。そういう患者さんが、少しでも医療や病気のことを考えなくてもいいようにすることが僕らの本来の仕事であるのに、「もっと患者は勉強して賢い患者になれ」などと言っている。つまり、もっと一日のうちに病気のことを考えろと脅迫しているわけです。しかし、医師は自分たちが「脅迫している」だなんて考えない。まじめな医師ほどそうは考えない。でも、僕らは知らず知らず、自分たち医師を中心に何でも考えがちになっているのです。医療の世界は広大なるグレーゾーンの世界です。押しても駄目だし、引いても駄目だし、こうしたジレンマは本当に難しいとは思うのですが、やはり、自分たちの論理だけで考えてはいけないと思います。細々と謙虚にやっていくことが大事です。

人の幸福を支援するのが医師
優先すべきは正しさではない


多くの真面目な医者は、正しさを振りかざし、例えば、タバコは体に良くないと言って、まるで喫煙者を人生の落伍者のように追い込んでいく。正しさを振りかざすことで人を不幸にしてしまっている。これでは、その正しさは本末転倒になってしまう。人間の幸福のためにちょっとでもお手伝いをすることが僕らの本来の仕事なのに。「他人の幸福」よりも、「自分たちの正しさ」を優先してしまうのです。物分かりのいい患者なんて、誰が診ても同じですからね。何もかも医師の論理で考えることなく、脅迫することなしに、「物分かりの悪い患者」に対して、自分の頭で考えて、どう診ていくのかを悩み、解決策を導き出すこと――。それこそが、医師の仕事だと僕は思いたいのです。


2013年1月29日 提供:聞き手・まとめ:島田 昇(m3.com編集部)

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「たばこ吸いたい」脳の仕組み解明…理研

 「たばこを吸いたい」という欲求は、脳の二つの部位が連携して生じることを、理化学研究所分子イメージング科学研究センター(神戸市)などが突き止め、28日発表した。米科学アカデミー紀要(電子版)に近く掲載される。禁煙や薬物依存の新しい治療法開発などにつながりそうだ。

 たばこを吸う習慣がある旅客機の客室乗務員は、着陸が近付くと、飛行時間と無関係に喫煙の欲求が強まることが知られていたが、こうした現象が、脳のどのような仕組みで起きるのかは不明だった。

 同センターの林拓也・副チームリーダーらは、喫煙者10人に、▽すぐ喫煙できる▽4時間喫煙できない--という条件で他人が喫煙している映像を見せ、吸いたい気持ちの強さを点数化してもらった。さらに脳の活動の様子を、機能的磁気共鳴画像装置(fMRI)で画像化して解析した。

 その結果、喫煙の欲求が強まると、こめかみの奥にある「眼窩(がんか)前頭皮質」が活性化。すぐ喫煙できる条件では、左前頭部にある「背外側前頭前野」も活性化したが、この部位に磁気を当てて働きを抑えると、こめかみの奥の活動も下がり、喫煙の欲求が抑えられたという。

 林さんは「左前頭部で『吸えそうだ』という状況判断を行い、こめかみの奥で『吸いたい』という欲求が湧き起こるのだろう。ニコチン依存の強さの評価や、他の薬物依存の研究にも役立つだろう」と話している。


2013年1月29日 提供:読売新聞

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急速充電のCHAdeMO、全世界の設置台数が2000基突破

CHAdeMO(チャデモ) 特別編集
【新聞ウォッチ】米EV、欧米方式「コンボ」採用、日本の「チャデモ...
【インタビュー】充電インフラは次のフェーズへ…CHAdeMO協議...
チャデモの仕様公開がもたらす意義と、その先にある「もっと重要なも...

CHAdeMOCHAdeMO(チャデモ)協議会は1月22日、全世界のチャデモ規格のEV用急速充電器の設置台数が、1月22日の時点で2000基を超えたと発表した。

チャデモ協議会は、2010年に設立。自動車メーカーの垣根を越えて、EVやプラグインハイブリッド車(PHV)の急速充電装置の統一規格を目指そうという取り組みだ。現在、日産自動車、三菱自動車、トヨタ自動車、PSAプジョーシトロエンをはじめ、電力会社、情報通信会社、地方自治体など、26か国430以上の企業が参加している。

およそ2000基の内訳は、日本国内が1381基、欧州が601基本、米国が154基。合計で2136基が全世界に設置され、充電インフラとして活躍中だ。過去1年間で、日本は前年比66%増、欧州は280%増、米国は13倍にも増えた。

チャデモ規格の急速充電器は、最大100kW まで対応可能。コネクターを使って、高電圧の直流50kW を出力する。直接車両のバッテリーに対してDC充電を行い、15-30 分でバッテリー容量の約80%を充電できる。

チャデモ協議会の志賀俊之会長(日産自動車の最高執行責任者)は、「世界の急速充電器の設置台数は、1 年前には約1000 基で、そのほとんどが日本。現在、日本だけではなく、欧州、米国などで導入が進み、2000 基に拡大した。2013 年末までに、さらに2 倍の4000 基以上とする計画」と述べている。

《森脇稔》


2013年1月28日 提供:RESPONSE

 

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