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社会情勢レポート記事区切り

消毒殺菌:塩素:やけどで中止呼び掛け ウイルスプロテクター

塩素を含む薬剤は上手く使うと効果的な殺菌もできるが、塩素ガスを発生するので、カルキ臭という、塩素くさい空気は吸い込まないようにした方が良いし、ましてそういうものを使って、室内の空気を殺菌するということは危ない。塩化窒素とかモノクロラミンなども最近水道消毒に用いられるが少量でも塩素やトリハロメタンを産生するリスクはあるので怖い。塩素分子を含む成分は焼却時などにダイオキシン発生リスクもある。

首に掛けるだけでウイルスや菌を除去できる「空間除菌」効果をうたった「ウイルスプロテクター」を使用した人がやけどを負う事故が発生しているとして、消費者庁は18日、直ちに使用を中止することを呼び掛けた。

 消費者庁によると、この商品は中国製で、金沢市の「ダイトクコーポレーション」が1月25日から販売。千葉県で幼児の胸の皮膚が化学熱傷でただれ重傷を負うなど、今月6日以降、6件の事故情報が寄せられた。既に国内で70万個以上、販売されており、厚生労働省が同社に自主回収を指導する予定。

 首から下げたプレートの中に、漂白剤に使われる次亜塩素酸ナトリウムの錠剤が不織布に包まれており、汗に触れると成分が溶け出し、皮膚に刺激を与えるとみられる。

 使用から数時間後に症状が出るのが特徴で、消費者庁は、商品に触れて皮膚が赤くなったらぬるま湯でしっかり洗い流し、皮膚科で診察を受けるよう呼び掛けている。

クロラミンはアルカリ条件下、次亜塩素酸ナトリウムとアンモニアの反応によって得られる。
消毒殺菌:塩素:やけどで中止呼び掛け ウイルスプロテクター

化学的性質・用途

低濃度のモノクロラミンは塩素の代用として水道水の消毒に用いられる。塩素よりも安定で消費者のもとに届くまで消散することがない等の利点から、モノクロラミンの使用は増加しつつある。比較的無害な炭化水素であるメタンなどの有機化合物の存在下でもクロロホルムや四塩化炭素などのハロメタン類を生成させず、塩素のように不快な悪臭を生じさせないので水道水の味が良くなるとされる。

観賞魚などを飼育する場合、モノクロラミンは魚に有毒なので水道水から取り除かねばならない。 塩素は数日間放置することによって揮発するが、モノクロラミンは揮発性が少なく、より安定なため、観賞魚店などで手に入るチオ硫酸ナトリウムなどの薬剤で除去しなければならない。

フェノールと反応してクロロフェノールを生成する。ダイオキシンリスクがあります。

クレベリンは大幸薬品が販売する空間殺菌をうたった消毒揮発薬です。二酸化塩素も塩素ガスの発生や反応でダイオキシンリスクがあります。

消毒殺菌:塩素:やけどで中止呼び掛け ウイルスプロテクター

二酸化塩素分子は、フリーラジカルという独特の構造をもち、強力な酸化作用があります。ターゲットとなるウイルス、細菌、真菌(カビ)、臭い、アレル物質のタンパク質を構成するアミノ酸 トリプトファンとチロシンを特異的に酸化修飾します2)。
この特異的な酸化修飾によって、ウイルス、細菌の構造が変わり機能が低下します。
消毒殺菌:塩素:やけどで中止呼び掛け ウイルスプロテクター

トリハロメタンは、メタン(CH4)の4個のHのうち3個が塩素や臭素などのハロゲンで置換されたもので、その発ガン性や催奇形性から水道の水質管理上大きな問題となってきましたただし、モノクロラミンの含まれていない水道水を利用しても、水道水中の塩素と魚の糞尿に含まれるアンモニアとの反応によって生成することもある。

ダイオキシン類(ダイオキシンるい、Dioxins and dioxin-like compounds)

ダイオキシン類は塩素を含む物質の不完全燃焼や、薬品類の合成の際、意図しない副合成物として生成する。

2,3,7,8-テトラクロロジベンゾパラダイオキシン(2,3,7,8-Tetrachlorodibenzodioxin, TCDD)はダイオキシン類の中では最も毒性が高く、IARCにより「人に対する発がん性がある」と評価されている。マウスならびにラットの動物実験では催奇性が確認されている。

800℃以上の高温での完全燃焼により分解可能であるが、300℃程度の温度で「デノボ合成」により再合成される。

ごみの焼却などによる燃焼や薬品類の合成に際して、意図しない副生成物(非意図的生成物)として生じる。過去においては、米軍がベトナム戦争で散布した枯葉剤の中に2,3,7,8-TCDDが不純物として含まれていたことは有名で160万人という奇形児がベトナムで誕生し。日本においても、PCBや農薬の一部に不純物として含まれて、環境中に排出され、環境ホルモン作用として子宮内膜症の増加、早熟、無精子症などの研究結果もある。

現在では、廃棄物の焼却処理過程においての発生が一番多く、その他、金属精錬施設、自動車排ガス、たばこの煙、たき火、線香、ろうそくなどから発生するほか、山火事や火山活動などの自然現象などによっても発生する。



2013年2月19日 提供:共同通信社

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ブタの体内で膵臓再生 移植用の臓器作製へ前進

遺伝子操作で膵臓(すいぞう)をできなくしたブタの受精卵(胚)に健常なブタの細胞を補うことで、正常に働く膵臓を持ったブタを誕生させたと、東京大の中内啓光(なかうち・ひろみつ)教授と明治大の長嶋比呂志(ながしま・ひろし)教授らのチームが18日付の米科学アカデミー紀要に発表した。

 臓器不全の患者から作った人工多能性幹細胞(iPS細胞)を、特定の臓器を欠損させたブタの胚に注入し、患者の細胞でできた移植用臓器を持つブタを誕生させる可能性に一歩近づく実験。

 中内教授は3年前、同様の方法でマウスの体内でラットの膵臓を作り、種を超えた臓器再生に成功した。今回はブタ同士だが、大きな動物でも体内に他の個体の臓器が作れることを示した。ただ現在、人間の細胞が混ざったブタの胚を体内に戻す実験は国の指針で禁止されており、人間の臓器が本当に作れるかは国内では確認できない。

 今回の実験では、遺伝子を操作して膵臓のないブタの胎児を作製。そこから取った細胞を、核を取り除いた別のブタの卵子に入れるクローン技術を利用して胚を作った。この胚に、正常なブタの胚の細胞を注入すると、両方のブタの細胞が混在したブタに成長した。

 膵臓が欠損するはずの部分には、健常なブタの膵臓ができていた。誕生したブタは血糖値も正常で成体まで育ち、繁殖能力があることも確認できたという。



2013年2月19日 提供:共同通信社

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ダニ媒介ウイルスの死者、4人に…疑い例9件

野山にいるマダニを介して感染する重症熱性血小板減少症候群(SFTS)ウイルスによる死者が国内でも相次いでいる問題で、厚生労働省は19日、広島県で昨年夏に死亡した成人男性も同ウイルスによって死亡していたと発表した。

 国内で確認された死亡例は4件目。同省には、同ウイルスで死亡や重篤な状態に陥った可能性のある疑い例が新たに5件寄せられているといい、「分析待ち」の疑い例は9件となった。

 今回、新たに確認された広島の男性は、昨夏に発症。38度以上の熱や吐血、血小板の減少などがあり、約10日後に死亡した。国立感染症研究所が男性の血を検査したところ、SFTSウイルスの遺伝子が検出された。遺伝子型は山口県の死亡例で検出されたものとほぼ同じで、国内で感染した可能性が高いという。



2013年2月19日 提供:読売新聞

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PM2・5高濃度で外出自粛、環境省が指針案

実は、歯科クリニック内も多くのPM2・5に曝されています。清掃状態のよくない患者さんの口の中を超音波スケーラーやタービンで削ったり、クリーニングしているときに、かなりの細菌微生物の死骸、破片が噴霧状態で舞い上がります。術者、デンタルスタッフはしっかりしたN95以上のマスクを鼻にフィットさせ、防塵メガネが必要です。理想ならN100マスクが良いです。

治療前に患者の口腔内を染だし、セルフケアと術者ケアを行う。本格治療に入る前に、初期治療でしっかりオーラルケアモチベーションを上げ、染めスコア(S)を毎日24時間、20%以下の状態をキープさせる、そのためにしっかりWF式フロスケア、3AM,CHX液使用などをキープさせて、バイオフィルム発生を抑えた口腔内にしておく。

噴霧が舞い上がるのを防ぐには、超音波SCやタービン器具を使う場合には、@できるだけ弱いパワーで使う。Aバキュームをできるだけ近いところにセットして吸引効果を上げる。

特に初期治療開始ごろは、超音波を用いずに、ハンドツールで歯石除去する。ハンドでのケアをする。

むし歯の形成、感染歯質の除去には、低回転、低噴霧で、エンジェルタッチでおこなう。

患者の口腔内から外した入れ歯、仮歯、修復物など唾液がついた状態で、エアーブローしないで、水洗ブラシをしてから塩素消毒液をくぐらせて、ティッシュやペーパータオルで乾燥させる。削合はチェアサイドでは行わず、ラボックス内でバキューム下で行う。

診療器具など、使用した器具は乾燥状態にせず、使用後すぐに消毒薬液に漬けて置く。特に血液などの付着した器具の扱いに注意を払う。

歯科医の人生が一般平均寿命より短いのは、多くの粉じん、感染粉じんなどを吸引しているからです。

これから春には外出にもN100マスクと防塵めがねは必要でしょう。


 中国からの飛来が懸念されている微小粒子状物質(PM2・5)について、環境省は18日、大気中の濃度が高くなった場合に外出や屋内の換気を控えるなど、注意喚起のための指針を作ることを決め、専門家会合で骨子案を示した。

 指針は月内にまとめる。

 西日本でのPM2・5の濃度は、偏西風の影響で中国大陸から黄砂が飛来する3-5月には、今よりさらに高くなる可能性があり、同省ではその前に対応する必要があると判断した。

 指針は、法的な警報や注意報ではない「暫定的指針」との位置づけで、いったんまとめた後も、健康影響の新たなデータを加味し、見直しを図る。注意喚起をする基準の濃度は、環境基準値(大気1立方メートル当たり1日平均35マイクロ・グラム以下)を参考に決める予定だが、「環境基準値よりも緩和してもいいのではないか」「心臓や肺に疾患のある人用に別の基準を設けるべきではないか」との意見もあるという。



2013年2月19日 提供:読売新聞

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どこでも感染注意、ダニウイールス、寝具、カーペット、ソファーなど清潔に

 「どこでも感染あり得る」 死亡者判明に危機感、宮崎

ダニが媒介するウイルス感染症で、宮崎県内に住む男性が死亡したことが判明した13日、宮崎県の感染症対策室が県庁で記者会見し「やぶや草むらなど、どこでも感染し得る。肌を露出しないなど対策をしてほしい」と危機感をあらわにしながら呼び掛けた。

死亡した男性は、昨年秋に下痢の症状を訴えて県内の病院を受診し入院したが、10日後に死亡した。死因は分かっていなかったが、国の呼び掛けを受けた検査で初めて感染が判明した。

感染症対策室の肥田木省三(ひだき・しょうぞう)室長は会見で「男性にマダニに刺された痕はなかった。刺されたことに気付かないことも多く、山や草地に入る際は注意が必要」と話した。

県は今後、ダニ媒介感染症が疑われる症状があれば情報提供するよう、県内の医療機関に依頼する方針。



2013年2月13日 提供:共同通信社

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ウイールス:新ウイールス感染で死亡相次ぐ

SFTSウイルス ダニ感染死、さらに2人 愛媛、宮崎の男性 渡航歴なし

 先月、国内で初めて死亡者が確認されたダニが媒介する新種の感染症「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」について、厚生労働省は13日、愛媛県と宮崎県の成人男性2人も昨秋感染して死亡していたと発表した。共に少なくとも最近の海外渡航歴はなく国内で感染したとみられる。

 厚労省は、山口県の女性が死亡した初の事例を受けて各都道府県に情報提供を要請。発熱や下痢などの症状の後、白血球や血小板の数が低下して死亡した2人の血液を国立感染症研究所(東京都)で調べたところ、SFTSウイルスが見つかった。草むらややぶに生息するマダニ(体長2〜10ミリ)にかまれ感染したとみられる。

 宮崎県の発表では、同県の男性は山に出掛けることがあった。下痢や下血の症状が出て入院し、発症の10日後に死亡した。愛媛県によると、同県の男性は全身倦怠(けんたい)や発熱、下痢で入院し、発症の16日後に死亡した。

 山口の女性も海外渡航歴はなく、ウイルスの遺伝子も09年ごろに発生が報告された中国のものとはわずかに異なっていた。厚労省は日本に存在していたウイルスの可能性が高いとみている。

 厚労省によると、都道府県から同様の症状の事例報告が9件あり、検査した4件のうち2件からウイルスを検出。残り5件の検査を進めている。マダニの活動は春から秋にかけて活発になるため、同省は、生息するような場所へ行く時は肌が露出しない服を着用するなど注意するよう呼びかけている。【井崎憲、門田陽介】

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 ■ことば
 ◇重症熱性血小板減少症候群(SFTS)
 感染から6日〜2週間の潜伏期間を経て、発熱や嘔吐(おうと)、下血などの症状が表れ、血液中の白血球や血小板の数が減少して全身状態が悪化する。有効な治療薬やワクチンはない。推定致死率は12%程度。中国ではダニにかまれて感染したケースが大半で、空気中に飛散、浮遊する病原体から感染する恐れはない。

2013年2月13日 提供:毎日新聞社

人から人への感染例か 新種ウイルスで英当局
 
【ロンドン共同】英BBC放送などは13日、新型肺炎(SARS)を引き起こすウイルスと同じ仲間であるコロナウイルスの新種について、人から人への感染が疑われる患者が英国で確認されたと報じた。英保健当局者の話として伝えた。

 患者は感染例が確認されている中東などへの渡航歴はなく、親族から感染した疑いがあるという。ただ免疫機能が弱っていたとされることから、保健当局者は「通常の環境での人から人への感染の危険性は非常に低い」との見解を示している。

 BBCによると、これまで中東を中心に11件の新種ウイルスの感染例が確認されている。コウモリのウイルスが変異してできたと考えられているが、詳しい感染の仕組みは解明されていない。

 世界保健機関(WHO)も新種ウイルスについて「人から人への感染の可能性は排除しない」との姿勢を取っており、警戒を強めている。


2013年2月14日 提供:共同通信社

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小田急、新百合ケ丘駅に
「電気自動車(EV)専用月極駐車スペース」を開設

小田急、新百合ケ丘駅に「電気自動車(EV)専用月極駐車スペース」を開設 小田急電鉄は2月15日、小田急新百合ケ丘北口駐車場に電気自動車(EV)用普通充電器を設置した「電気自動車専用月極駐車スペース」を開設すると発表した。

EV専用駐車スペースは5階フロアに全8区画、月極利用料金は3万1500円(消費税・電気使用料金込み)、国内主要車種のEV・PHVに対応している。

同社のEV専用駐車スペースのある駐車場は、神奈川県内で初の設置となり、昨年、都内の成城学園前駅・鶴川駅直近に開設した施設とあわせて3箇所目となる。

同社は、充電インフラの整備を進めることで、EVを保有しやすい環境を提供する「小田急EVプロジェクト」を進めている。充電インフラの整った月極駐車場を展開することにより、小田急沿線の集合住宅等に居住する環境意識の高い個人や、社有車のEVへの変更を検討中している企業のニーズを満たしていくとのこと。

《久保田雄城》


2013年2月14日 提供:レスポンス

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北京1日滞在=たばこ21本、大気汚染が深刻化

 細かい粉じんPM2,5の除去は、N100規格のマスクでかなり防げるが、マスク装着のポイントは、鼻のわきの隙間をいかにフィットさせるかです。また、マスクの中に湿らせたスクリーンを入れるのも効果的で、マスクにシュッもいいです。

 中国政府が、大都市で深刻化する大気汚染への対応を迫られている。
 国民の環境意識は高まっており、対策の遅れは社会の不安定化につながりかねない。
業務用マスク

 スモッグが重く低く立ちこめる北京市内。何かが焦げたような臭いが街中に漂う。外をしばらく歩くと、目や鼻、のどに違和感を覚え、室内にいても頭にずんと重みを感じる。

 北京に1日滞在すれば「たばこを21本吸ったのと同じ計算」(中国誌「新民週刊」)と言われ、「N95」の表示がある業務用マスクが品薄状態だ。1枚約7元(約100円)と通常のマスクより割高だが、健康被害をもたらす微粒子状物質(PM2・5)の吸引を確実に防ぐのに必要とされる。安価な偽物も出回っている。

 1月下旬、国営中央テレビのアナウンサーが中国版ツイッター「微博」に、屋外で交通整理にあたる警官が「マスク着用を禁じられている」と書き込むと同情論が広まり、公安省は一転、「状況に応じたマスクの着用」を許可した。

米国のデータ先行

 北京市政府は応急措置として1月30、31日、中心部の朝陽区内ですべての工事を停止。抜き打ち検査で有害物質の排出基準を超えていた工場や車両に罰金を科した。政府機関の公用車も3割が使用を禁じられた。

 しかし、中国はこれまで、対策の基本であるデータ観測や公開に消極的姿勢が目立っていたのも事実だ。

 米国大使館は2008年の北京五輪前から、北京などでPM2・5の独自測定を行い、公表している。北京市も昨年初めから試験的に測定・公表を始めたが、北京市の判定で「良」なのに米側は「不健康」とする日もあり、評価はしばしば大きく食い違う。市民の間では「市当局がデータを改ざんしている」との批判が噴出。外務省は6月、内政干渉だとして米大使館に公表中止を求めたが米側は応じず、10月には北京市も、観測ポイントを大幅に増やして正式なデータの測定・公表を始めた。(北京 五十嵐文、竹内誠一郎)


2013年2月2日 提供:読売新聞

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受動喫煙対策も急務

 白人は日光を浴びすぎると皮膚がんが増えますが、日本人には当てはまりません。逆に、飲酒で顔が赤くなる遺伝子を持たない白人にとって酒は「百薬の長」ですが、国民の約4割が赤くなる遺伝子を持つ日本人は、飲み過ぎるとがんにつながる恐れがあり要注意です。

 たばこによる発がんは、白人の方が多い傾向にあります。たとえば日本人の場合、喫煙者の肺がんのリスクは、たばこを吸わない人の4〜5倍に増えますが、欧米では10〜20倍になると言われます。

 この理由は解明されていないものの、可能性として日本人は受動喫煙の機会が欧米より多いことが考えられます。つまり、日本人の場合、本人がたばこを吸わなくても、日々の受動喫煙によってがんのリスクが高まってしまっているため、喫煙者との差が欧米ほどないというわけです。

 喫煙はがんの原因のトップです。たばこがこの世からなくなれば、男性のがんの3割がなくなります。また「受動飲酒」はありませんが、たばこは受動喫煙でもがんが増えるため、「自業自得」だけではすみません。受動喫煙によって自らが望まない不本意な健康被害を受けるという点では、原発事故に近い性質を持つと言えるでしょう。実際、受動喫煙は年間100ミリシーベルト程度の被ばくに相当します。

 たばこの先から出る副流煙には、タール、ニコチン、一酸化炭素、ベンゾピレンといった発がん物質が、本人が吸う主流煙より3〜5倍も多く含まれます。たばこを吸わない妻が、1日1箱以上吸う夫と暮らしていると、妻が肺腺がんになる危険は2倍になります。
 受動喫煙はがんのほか、心筋梗塞(こうそく)も増やし、親が喫煙者の場合、赤ちゃんが眠っている間に突然死亡する「乳幼児突然死症候群」の発症率が5倍近くに高まります。

 受動喫煙が原因で死亡する人は年間6800人と推計されます。交通事故による年間死亡(10年は4863人)をはるかに上回ります。

経済対策だけでなく、受動喫煙対策も進めてもらいたいと思います。(中川恵一・東京大付属病院准教授、緩和ケア診療部長)


2013年2月4日 提供:毎日新聞社

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ダニ媒介の新ウイールス感染症で死亡
国内初、山口の成人女性は海外渡航歴なし

 厚生労働省は30日、中国で2009年ごろから発生が報告されていたダニが媒介するウイルス感染症で、昨年秋に山口県の成人女性1人が死亡したと発表した。この病気は「重症熱性血小板減少症候群」(SFTS)で、国内での確認は初めて。

 厚労省は30日、各都道府県に対し類似の患者を診察した際の情報提供を要請した。

 国立感染症研究所によると、患者には発熱や嘔吐(おうと)、血小板の減少などがあり、発症後約1週間で亡くなった。最近の海外渡航歴はなく、明確なダニのかみ痕も確認されなかったが、血液からこのウイルスの遺伝子が見つかった。遺伝子配列の一部が中国のものと異なっていたことから、日本にもこのウイルスはもともといたとみられる。

 このウイルスはダニにかまれることのほか、患者の血液や体液との接触で感染した例もある。今回の患者の症状のほかに、食欲低下や頭痛などが現れることも知られている。感染研によると、有効なワクチンや治療法は現在のところなく、中国では数百例の感染報告がある。推定される致死率は12%程度。

 厚労省によると、中国のウイルスはマダニの仲間から見つかる。マダニは血を吸う前の体長が3〜4ミリと、屋内にいるイエダニより大型で、国内では青森以南の山野に広く分布している。感染を防ぐにはこうした場所に入る際に長袖の服などを着て、ダニにかまれないことが重要という。かまれた場合は病院で受診するよう呼び掛けている。

※重症熱性血小板減少症候群(SFTS)

 2011年に初めて特定された新種のSFTSウイルスを保有しているマダニにかまれることなどで感染して引き起こされる病気。主な症状は発熱や吐き気、下痢などで、血液中の血小板や白血球の減少が特徴。重症化して死亡する例もある。09年ごろから 中国で患者が見つかり、中国での致死率は12%という。米国でも似た症例の報告がある。有効なワクチンはなく、対症療法が主な治療となる。


2013年1月31日 提供:共同通信社

 

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